fin.告白
「でねー、この絵なんだけど……」
「Wow! それは凄いデスね!」
次の月曜日、私たちは手をつないで学校へと向かった。
私はアリスにノートを見せ、この間描いた絵について、そのキャラの生い立ちや設定を力説する。
あの後、土日を使ってお互いについて語り合った、そして……一緒に彼女が好きな「映画」も観た。
正直……その映画の内容は……ちょっと過激すぎた、まぁ面白かったけど。
アリスは……「ゾンビ映画、スプラッタ映画に目が無い」と語っていた。
彼女のお父さんがそういうのが好きで、自分も同じように好きになった……らしい。
当然そんなんだから、オーストラリアにいた時は周りからいじめられ、日本に来たのもほぼ逃げるためだった……らしい。
転校初日から女子たちに質問攻めされるのも、精神的にきつかったというのも語っていた。
そんな時に……私のノートを見て、感銘を受けたようだった。
机の上に放置されていたノート……それの内容は彼女の性癖に刺さったらしい……。
アリスと私は、共通点が多かった、それがとても嬉しかった。
初めて出来た……私の友達、それがアリスだ。
「ねぇアリス」
「なんデスか?」
「私……」
……あれ? 私、今アリスに向かって、「好き」って言おうとした?
いやいや、それは違うでしょ……それだと……なんか、別の意味に聞こえそう。
あ、いやでも……アリスはまだ日本語は拙いし、大丈夫……かな?
「わ、私……アリスが……好き」
い、言っちゃった……好きって言っちゃったよ私!
なんか超恥ずかしいんだけど!?
アリスは……満面の笑みを見せていた。
「Ta! 私もキズナのこととてもLoveデス!」
「あ、アリス!?」
ちょちょ、アリス!? なんで抱き着くの!?
ていうかLoveって……それって……。
『キーンコーンカーンコーン……』
ま、まずい! ホームルームの時間だ!
「い、行くよ! アリス!」
「ハイ!」
私たちは手をつなぎ、教室へと急いだ。
リョナラーと天使様 立風館幻夢 @Zangetsu_Kureshima
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