第22話 情報の洗い出し 太陽をスイカに例えたら
久々の更新です。
そろそろボイドに差し掛かるのでダークマターとかダークエネルギーについて調べていたのですが、良くわからないのでとりあえず、今の現状を再確認する事から始める事にしました。
端末によっては凄く見づらいと思いますが、数字は飾り程度にお考え下さい。
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「前回の失敗を元に、私は一度私を見つめなおしてみる事にしてみた。」
私の一人はそう言って、コンピューターを表示する。
「太陽の大きさが約 1392700km。
1光年が 9460000000000km。(9兆4600億km)
他の恒星迄の距離を10光年とすると
94600000000000km。(94兆6000億km)
私 約0.002km(1~2m=誤差含む)」
見つめなおすってそっちの意味かい。私。
「もはや桁数が大きすぎて良くわからないな。私」
某格闘漫画でもここまでのインフレは起こってないと思う。
読者がついて来れないからだ。
でもガ●ダムのカードゲームだと京(=1兆の1万倍)ダメージとか出ているそうなので、そろそろそこまでいっているかも知れない。
まあ、そこまでくると万とか億は端数になってしまう。
四捨五入で0kmになる私など存在しないに等しい。
「そこで、太陽を30cm程度のスイカと海で考えてみたんだよ。私」
その言葉に私たちは反応する。
海。
数十世代前の私が住んでいた地球に存在したと言う塩水の塊。
木星の1/10くらいの大きさで、なめるとしょっぱいと記憶の中で浮かび上がる。
「だいたい私たちの到着する星って岩石だらけだものね」
まあ、それでも自分より小さなものに大きさを例えると、自分がどれくらいのものか全体像を把握しやすい。
そして、どれだけ無謀な旅をして来たか分かろうというものである。
「それは良い考えだな。私。早速表示してくれ」
「アメーバーくらいにはなるのだろうかな?私」
「さて、それはどうかな?」
そう言って私はコンピューターを操作する。
『すいか 0.0003km』
「おい」
小さなものをkmで表示するんじゃない。
今度は小数点以下でインフレをおこしているじゃないか。
「しょっぱなの軽いギャグです(間抜作 風味(※))」
(※1980年代に少年ジャ●プで連載していた『ついでにとんちんかん』というギャグマンガの主人公のセリフ。ファミ●ンジャンプ1にも登場している)
『すいか 300mm』
「………まあ、いいだろう」
これでもまだわかりにくいが、cmというのはイレギュラーな桁単位なので、mm表記の方が良いのかもしれない。
「では次に太平洋と呼ばれた海がこれくらいらしい』
『太平洋 2000000000mm(2万km)
すいか 300mm(30㎝=太陽)』
「わかりにくすぎる!!!」
「mmで表して良い物体じゃない事だけは良くわかったよ」
「ちなみに、3mm程度の砂粒が地球と同じくらい。先ほど言ったアメーバーは25~400μm(マイクロメートル)だからさらに1/100ほど小さくなるね」
1000μmで1mmとなる。
え?あれで地球よりちょっと小さい程度なの?意外と人間は小さいのだな。と思うと私は、次の文字を表示する
『砂粒 3mm(=地球=12,742km)
アメーバー 0.025mm(25μm)≒タイプE=約200km』
肉眼でギリギリ見える小さな砂粒が地球の大きさになるらしい。
そして私たちの大型宇宙船がアメーバー程度の大きさ。
「あれ?だったら、それよりも小さなタイプCはどれくらいの大きさだったの?」
「そうだな、あれは100nm(ナノメートル。1000㎚=1μm)だから…」
その言葉に皆の私がかたずをのむ。
「バクテリア。カビとか細菌と同じくらいの大きさになるね。」
私は宇宙の雑草だと思っていたが、カビとして広がっていたらしい。
惑星はナバ(しいたけが育つのに適した加工木)だろうか?
「ちなみに、私たちはさらにちいさなウイルスと同じ程度になるね」
『砂粒 3mm(=地球=12,742km)
アメーバー 0.025mm(25μm)≒タイプE=約200km
バクテリア 0.0001mm(100nm)≒タイプC
ウイルス 0.0000001mm(0.1nm)≒私』
どうやら宇宙は病原菌で埋め尽くされているようだ。
「ちなみに、ウイルスは細胞を持たないので、絶えず生物に寄生して増殖していかないと生きて行けないんだ」
昔、コロナという病気が流行した時、マスク手洗いを徹底したら極東の日本ではインフルエンザと言う病気が寄生先を失って死滅しかけたらしい。
まるで、隕石を分解して資源をとらないと生きてい行けない私たちにぴったりな立ち位置である。
「………私たち、宇宙の病原菌だったんだな」
「あれって半年で地球全土に広まったそうだし、そう考えると他の太陽系に行けたのも納得だな。」
分解して増えると言うのは、寄生主が大きければ大きいほど効率よく広まるものらしい。
「というわけで」
この結果を発表した私がコンピューターの画像を消すと、おもむろに私たちを見てこう言った。
「これからも宇宙の病気としての自覚と誇りを持って、もっと効率の良い感染方法を模索していこう。私たち」
「持ちたくないぞ。私」
「宿主が死なないように、採掘はやり過ぎないようにしたほうがいいだろ。私」
「というか、もう少し例え方はオブラートに包もうぜ、私だけど他人の私」
こうして、宇宙における自分の大きさを再確認した私たちは『ウイルスかぁ…』と陰鬱な気分で、再び宇宙の果てを目指して効率の良い寄生…もとい移動方法を考えながら進むのであった。
昔『地球が泣いている』というキャッチフレーズがあったが、宇宙を泣かすくらいの力を私たちが手に入れるには、後何万年必要だろうか?
なお惑星破壊を止めよう。と言い出す私は何百億の中で一人もいなかった。
もう賽はふられて引き返せないのである。
宇宙の果てを目指すだけのお話 黒井丸@旧穀潰 @kuroimaru
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