第5話 蝶

「今日紹介いたします館はこちらでーす」

「なんだそれ…」

レディア館

全体が白くまとまっていて

綺麗な館だ

山の別荘地の外れにある一際大きな建物

「入ってみよう」

入り口は狭く作られていて

一点に視点がいくような不思議な壁と構造

その点には何かあるわけでなく

ただ、なんだか不思議な館であった

部屋は三つ、思ったより狭く

大きいだけでちゃんと別荘のような作りであった

だが、先駆けたサクが何か見つけたようだ

「なにこれ!」

彼女が持ち上げたものは

「鍵?」

「鍵っぽいね」

「蝶の形をしているな?なぜだ?」

「なんでだろ?」

何かある気がする

なんだ?

蝶…

手紙で似たような形を見たような

コーヒーをこぼしたような跡

蝶の形!

デーベルからの

ヒントか!

デーベル自身もこの館に来てヒントをくれていたのか

だとしたら前のアドラ館の構造もヒントか

あの手紙以来のメッセージだ

「どしたの!どしたの!?」

「ああ、すまんサク」

サクにちゃんと説明をしないと




ガサゴソ…

「ん?なんだ?」

「手紙?蝶のシーリング?…美しい…」

「なぜ蝶なんだ?」

「…」

手紙の中身は…

拙い文章だな

薄く蝶のシミ?が見える

何かを手紙でつたえようとしていたか

「伝わるといいな?ははっ…まあ来たとしても私が殺して終わりだろうがな」

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デーベルからの最後の手紙 @tensuke0628

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