デーベルからの最後の手紙

第1話 拝啓

私の親愛なる親友よ

いつもしょうもない手紙に付き合ってくれてありがとう

私は今日

ある館を訪れることにした

その館は私の両親だったものが亡くなってしまった館だ

いつだったかな?

5年前だ

なぜ5年間も訪れなかったのかって?

俺が両親を嫌いだからだ

まぁ明日早いし、早く寝るとしよう

おやすみ!

6/3



この手紙は朝届いた

なぜデーベルはおやすみ!…と書いたんだ

やはり少し馬鹿なんだなと朝ご飯を食べながらそしてこれからの学校の事を考え気分が落ち込むのがわかった

デーベルの手紙は愉快で割と楽しみであった

彼は私の友達…いや親友か


「オップ!おはよう!」

「ああ、おはよう」

この女性は幼馴染である

名前はサクリ・ファイス

と言う

皆からはサクと呼ばれている

僕の名前は

オップ・ファー

と言う

「ねえ…今日も」

「手紙ね、どうぞ」

彼女にはデーベルの手紙を毎日見せている

「館だって!館!いいなあ!」

「うん、そういうの好き?」

「好き!」

彼女はなんだか…純粋なのである

大きな声で好き!と勘違いされそうな音量である

そう彼女の声が響いた瞬間

雨がパラパラ降ってきた

「そうか、もう梅雨か!」

「油断してた!あはは!」

「走ろう!」

デーベルの手紙が濡れないように

手で守って走った




「こちらの館です」

「ありがとう、じいさん」

「いいえ、なぜ今回急にこちらの館を」

「ああ…なんだか引っかかることがあって」

「深読みは致しませんが、くれぐれも気をつけて」





拝啓我が親友よ

私は生きているか

死んでいるなら

私の死んだ場所を訪れてくれ


君の家には秘密の本があるはずだ

その本から違和感を探してくれ

その違和感を感じれば

君もこの謎を解きたくなるだろう


そして私の死とこの町の不自然な死を解決してくれ

これは私の最後の願いであり

最後の手紙である



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