R指定を付けることすら難しいのではないでしょうか。
戦時中行われていたおぞましい人体実験もさることながら、精神汚染まがいの攻撃を受け、物理的にダメージを受け、更に画面いっぱいに飛び回る虫たち。そう。虫たち!!
虫や集合体が駄目な想像力の豊かな方は、きっとこのホラーには耐えられないことでしょう。
しかも、後半に至っては、更に輪をかけたモザイク処理間違いなしの怒涛の展開が待ち受けております。
それでも、だとしても! 読後に思うことでしょう。青木さん? 君? 呼び捨て? が最後に口にした、これからやろうと決めたこと。戦時中、日本を守るために、良くするために、信じて一生懸命力の限り生きた兵士たちの強い強い想いを。そんな兵隊さんたちや、親子の思いやり。かなめと卜部の絆。是非最後まで薄眼を開けながら読み切って欲しいです。
最初に言っておきますが、ものすごく怖いです。
怖いだけじゃなく、痛いし臭いし悲しいし、怒りや切なさで胸が潰れそうになります。かと思えば、絶妙に挟まれるコミカルな場面に頬が緩み、邪祓師と助手の関係性に身悶えし、死者達の想いに涙が……あらゆる感情を激しく揺さぶられるエンタメホラー。
今回の依頼は行方不明者の捜索。旧帝国陸軍がらみの怪異が原因らしい。
邪祓師は助手のかなめと共に現場へと赴くが、事態は二転三転、思いもよらぬ方向へ。相当な痛手を負いながらも、ついには国の有り様を揺るがす謎に辿り着く!
ストーリーの面白さはもちろん、描写力の凄まじさは圧巻というほかありません。忠実に映像化してVRで見たら死人が出そう。痺れる戦闘シーン、登場人物の造形も素晴らしい。
とにかく、読み始めたら物語に引き込まれ、途中下車は不可能です。あと、カレーが食べたくなるかも。覚悟してお読みください。
最後にもう一度。本当に、いろんな意味で、怖いです。
まず、とても怖かったです。
怖さにも色々な種類があると思いますが、本作はオカルト的な恐怖心、グロテスクなものへの恐怖心、不浄や汚穢に対する恐怖心、人間の負の側面を見た時の恐怖心など多方面の恐怖を取り揃えており、それらが入れ替わり立ち替わり、読者を責め苛みます。
ものすごく怖いのですが、物語の構成はミステリー仕立てになっており、事件の真相や設定のからくりは、伏線を示しつつも徐々にしか明かされません。そのため、読むほど先が、続きが気になるのです。
自分はとても小心なので時々恐怖のあまり腹痛を起こしたりしながらも、続きが気になるので読むのをやめられなくなっていました。
主人公の卜部先生が邪祓師であることから、物語には退治もののベースもあります。色々な仕掛けや術を駆使して謎を解き、怪異と対決する卜部先生がかっこよく、バトルシーン、特にボス級の敵との戦闘シーンは圧巻です。
また、物語の土台を成しているキャラクター達やその動機、心理についても丁寧に作り込まれており、脇役であっても同情を感じたり、その後が気になったり、応援したくなるキャラクターばかりでした。(もちろん、本気の悪い奴も何人か登場します。)彼らがどんなラストを迎えるのか、ぜひ最後まで読んで見届けていただきたいと思います。
そして、山盛りの恐怖とたくさんの紆余曲折はありながらも、助手のかなめさんをはじめ、物語には明るく優しい笑いやほのぼのの要素も用意されています。何より、ラストは気持ちよく締めくくってくれるのもこの作品が最強のエンタメである一要素だと思います。とにかく読み手を思って書かれた小説だと感じました。
レビューが上手くなく恐縮ですが、とにかく面白いということをお伝えしたいです。
秋の夜長に最適の読書だと思います。
ただし怖いので、読書の時間帯には十分ご注意ください。。。m(_ _)m
こちらは作者様が連載されている「邪祓師の腹痛さん」シリーズの最新版で、横溝正史ミステリ&ホラー大賞のために書かれた特別版でもあります。
卜部とかなめという男女のバディが怪異を解決していきます。
今回、訪れた依頼人に胡散臭さと、依頼内容が危険すぎると感じた卜部は、一度は依頼を断りますが「ある人物」が絡んでいることがわかったため渋々引き受けることに……
依頼の地を訪れた二人はとんでもない怪異と遭遇しますが、その正体とは?
生きている人間の身勝手な思惑と悪霊の怨念が絡み合って、いつも以上に怨嗟とグロテスク感が半端ないです。
ただ合間に卜部とかなめのコミカルな掛け合いやグルメもあり、そういった部分も楽しめると思います。
そして読了後は映画を一本、見終わったような満足感があります。
いわゆる直球ど真ん中の王道ホラーですので、そういったものをお望みの方はきっと楽しめるかと思います。
是非ご一読を!
大好きな「腹痛さんシリーズ」の最新作。
今回もかなり踏み込んだテーマで描かれている、ホラー作品です。
邪祓師の卜部と助手のかなめ。
二人が待つ心霊解決センターには他所で匙が投げられた難解で陰湿な依頼が舞い込んでくる。
それは、人の手には余るような厄介事ばかり。
そんなセンターに持ち込まれた内容は、今回もどうやら一筋縄ではいかない依頼のようです。
二部構成なのですが、第一部は「旧帝国陸軍」のお話。ヒトコワ要素と、当時の異常なまでの団結力、個の判断を喪失させるほどの異様なマインドコントロール。彼らの「戦争」は、未だ終わりを告げておらず・・・。
そこで生み出されていた"モノ"の正体を知った時、その恐ろしさを思い知ることになります。
第二部は卜部さんの師匠からの依頼。
こちらもやはり人の弱さや醜さ、極限状態になった時の判断力、自分が生き残るためには手段を択ばない、そんな人間の怖さと、それでも目的を果たすために前に進むという、まったく逆の人間性を見せられる、感動的なお話。
途中、グログロのぐちゃぐちゃなシーンがリアルな感じでありますので、注意ですが、大好物な方にはたまらないかも。私はそのシーンも含めて「腹痛さん」と思ているので、かなり一喜一憂しました。
卜部さんとかなめちゃんの息もぴったりで、「行くぞ、かめ!」が出るとテンションあがります。シリーズごとに読んでも問題ない作品。もちろん、読んだことのない方は最初から読むもよし!
映像化されたら絶対に観たい作品です。もちろん、夜中に部屋を真っ暗にして!
ミステリー要素あり、ホラー要素ありが好きな方は、ぜひとも読んでいただきたいおススメの作品です。
この夏イチ押しのホラーです!!
ただ怖いだけじゃない!! そんなホラー体験してみませんか?
『怖い』『おもしろい』『心に刺さる』三拍子揃ったホラー小説の『腹痛さん』シリーズの最新作です。
『腹痛さん』シリーズには、ただ怖いだけじゃなくて、人間ドラマが多分に含まれています。
登場人物たちの心の動きが巧みに描かれていて、その優しさや悲しみに触れられます。他の『腹痛さん』シリーズでは、私、泣いちゃったこともあります。怖くて泣いたわけじゃないですよ。感動して泣いたんです。
そんなホラー小説なかなか無いですよね?
もちろん、怖くて泣きそうになったこともありますが。
今作は、まだ序盤から中盤に差し掛かったところだと思います。(今、28話)
これから、どんどん怖く、おもしろくなっていくこと間違いなしです!!
ぜひ、一度読んでみてください。
なお前作を読んでなくても、まったく問題無く楽しめます。
もちろん、他の『腹痛さん』シリーズもオススメですよ!!