恐ろしいのは"怪異"か、それともそれを創り出した"人間"か。


大好きな「腹痛さんシリーズ」の最新作。
今回もかなり踏み込んだテーマで描かれている、ホラー作品です。


邪祓師の卜部と助手のかなめ。
二人が待つ心霊解決センターには他所で匙が投げられた難解で陰湿な依頼が舞い込んでくる。
それは、人の手には余るような厄介事ばかり。
そんなセンターに持ち込まれた内容は、今回もどうやら一筋縄ではいかない依頼のようです。

二部構成なのですが、第一部は「旧帝国陸軍」のお話。ヒトコワ要素と、当時の異常なまでの団結力、個の判断を喪失させるほどの異様なマインドコントロール。彼らの「戦争」は、未だ終わりを告げておらず・・・。
そこで生み出されていた"モノ"の正体を知った時、その恐ろしさを思い知ることになります。

第二部は卜部さんの師匠からの依頼。
こちらもやはり人の弱さや醜さ、極限状態になった時の判断力、自分が生き残るためには手段を択ばない、そんな人間の怖さと、それでも目的を果たすために前に進むという、まったく逆の人間性を見せられる、感動的なお話。

途中、グログロのぐちゃぐちゃなシーンがリアルな感じでありますので、注意ですが、大好物な方にはたまらないかも。私はそのシーンも含めて「腹痛さん」と思ているので、かなり一喜一憂しました。

卜部さんとかなめちゃんの息もぴったりで、「行くぞ、かめ!」が出るとテンションあがります。シリーズごとに読んでも問題ない作品。もちろん、読んだことのない方は最初から読むもよし!
映像化されたら絶対に観たい作品です。もちろん、夜中に部屋を真っ暗にして!


ミステリー要素あり、ホラー要素ありが好きな方は、ぜひとも読んでいただきたいおススメの作品です。

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