心底恐ろしくおぞましい…そして何より面白い、最近ホラーエンタメ大作!

まず、とても怖かったです。
怖さにも色々な種類があると思いますが、本作はオカルト的な恐怖心、グロテスクなものへの恐怖心、不浄や汚穢に対する恐怖心、人間の負の側面を見た時の恐怖心など多方面の恐怖を取り揃えており、それらが入れ替わり立ち替わり、読者を責め苛みます。
ものすごく怖いのですが、物語の構成はミステリー仕立てになっており、事件の真相や設定のからくりは、伏線を示しつつも徐々にしか明かされません。そのため、読むほど先が、続きが気になるのです。
自分はとても小心なので時々恐怖のあまり腹痛を起こしたりしながらも、続きが気になるので読むのをやめられなくなっていました。
主人公の卜部先生が邪祓師であることから、物語には退治もののベースもあります。色々な仕掛けや術を駆使して謎を解き、怪異と対決する卜部先生がかっこよく、バトルシーン、特にボス級の敵との戦闘シーンは圧巻です。
また、物語の土台を成しているキャラクター達やその動機、心理についても丁寧に作り込まれており、脇役であっても同情を感じたり、その後が気になったり、応援したくなるキャラクターばかりでした。(もちろん、本気の悪い奴も何人か登場します。)彼らがどんなラストを迎えるのか、ぜひ最後まで読んで見届けていただきたいと思います。

そして、山盛りの恐怖とたくさんの紆余曲折はありながらも、助手のかなめさんをはじめ、物語には明るく優しい笑いやほのぼのの要素も用意されています。何より、ラストは気持ちよく締めくくってくれるのもこの作品が最強のエンタメである一要素だと思います。とにかく読み手を思って書かれた小説だと感じました。

レビューが上手くなく恐縮ですが、とにかく面白いということをお伝えしたいです。
秋の夜長に最適の読書だと思います。
ただし怖いので、読書の時間帯には十分ご注意ください。。。m(_ _)m

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