唯一無二、疾風怒濤の和風SFアクションエンターテイメント

とにかくその疾走感と勢いに読ませられます。
改造した体や銃を武器にする敵に対し、主人公の金ちゃんは素手と刀で戦います。どう切り抜けるんだろうと思われるバトルが見事に描かれ、文字を通してアクションシーンが読者の目に浮かぶのは、作者さまの手腕が素晴らしいからだと思います。

そして物語の基盤とも言える世界観とキャラクター設定もとても豊かに作り込まれており、見応えがあります。
金ちゃんは明らかにオカマなのですが、同時にこれ以上ないくらい侍でもあり、普段は笑わせてくるのに決める時はものすごくかっこいいのです。
ヒロインのさくらは戦闘能力はありませんが、彼女にも重要な特技があります。彼女と金ちゃんの間に築かれていく友情にも家族愛にも似た関係がとても優しく、端々に描かれる粋な人情も、この物語の見どころだと思います。

金ちゃんやさくらにも色々事情がありそうですが、その辺りが明かされるのはまだ先のことになるのでしょうか。

自分が御託を並べるよりとにかく読んでほしい！と思う作品ですが、レビューということで、拙文を失礼いたしましたm(_ _)m