聖女の兄～回帰した元魔術師は最年少神官となって暗躍する～

魔術師として、同期で一番の出世頭と評されるルキ・ラウンズが重罪を犯した。
この世で王族と同等の扱いを受ける聖女の遺体を持ち出したのだ。
ルキは重罪人として放たれた最強の追っ手から逃れられず、崖から落ちて死を迎える。

しかし気がつくと、17年前、ルキは生まれたばかりの妹が聖女として聖教会へ連れていかれた日に戻っていた。
ルキは死ぬ前に起きたことを思い出し、今回は神官となり聖女を陰ながら守ることに。
前回の生で聞き齧ったことを元に、周囲を牽制し、ルキの妹幸福計画は順調に思われた。

しかしある日、王宮より聖女に護衛が遣わされた。前回にはなかったことに戸惑うルキを、護衛として現れた人物がさらに戸惑わせる。
その護衛とは、前回の生でルキに放たれた追っ手、ローウェン・アスターだった。