第40話 背景補足


『恒星間大戦』は西暦3001年に始まり、3110年に終結した。結果は人類の無条件降伏。もともと人類が仕掛けた戦争だったが、相手が悪すぎた。

 対戦相手の『銀河連合』ギャラクシーネイションズは4つの『宗主族スーセリアン』のもと700あまりの異星種族が連なり、経済規模は人類の10万倍……その恐るべき事実に人類が気付いたのは戦争開始20年後。以降一世紀近い絶望的な戦いの果てに人類は降伏したのだった。



 降伏した人類は自前のワープ航法および超空間即時通信の技術を取り上げられた。

 そして半径100光年あまりの人類世界全域に異星人の会社『スターブライトラインズ』の恒星間定期連絡船の航路が制定された。

 結果、一度のワープが大事業だった戦争前に比べて格段に利便性が増した。現在は旅程3日~2週間で50の全恒星系が結ばれている。

 スターブライトラインズは各星系のゴルディロックスゾーン端に人類船を収容する『ドッキングプール』を設けた。

 太陽系であればドッキングプールは旧火星軌道にある。人類船はそこでスターブライトラインズの巨大ワープ船とドッキングして、目的の恒星系まで運ばれる。ワープ船は地球やタウ・ケティには一日2隻、辺境星域には一日~一週間に一隻寄港する。

一度のワープ料金はひとりあたり平均5000クレジット(5万円くらいの感覚)。これは火星~地球間の客船料金と変わらない(冒頭で霧香が利用した輸送船はずっと安い)


『ジェネシスフェーズテクノロジー』

 量子変換技術の確立によって人類は『ワープ航法』『星間即時通信』『慣性航法(スペースドライブ)テクノロジー』『電脳人格変換』など多くのブレイクスルーを果たした。

 水も酸素も無い岩石惑星を地球型に改造する『ジェネシスフェーズ』いわゆるテラフォーミング技術はそれらスーパーテクノロジーの結晶であった。

 スペースドライブによって惑星の軌道を変更することも可能になり、岩石惑星を適切なゴルディロックスゾーンに移動したうえでテラフォーミングする。

 26世紀、太陽系では火星と金星が地球とおなじ公転軌道に移動され、テラフォームされた。 


 32世紀、人類は『AIの反乱』『メタバース』『サイボーグ』『性転換など極端な人体改造』などひととおり経験している。その上で32世紀はやや保守的なテクノロジーに退行している。しかし地球やバーナード、タウ・ケティなど先進世界では『貧困』『病気』はほぼ消滅した。癌は撲滅され、人間の平均寿命は130歳を超えようとしている。明確な老化が始まるのも80歳以降であり、女性の妊娠可能期間も60年以上になったため、自然と人口は増加した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

マリオンGPD 3127 さからいようし @sakaray-yousi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ