第七羽໒꒱ 僕らを抱卵する、虚空の翼
繋いだ手を、決して離してはいけない。駆ける
「一手は打たれ続けているわね。
✼••┈☖7四鵬┈••✼
「
✼••┈☗5二
睫毛を伏せた僕の『嘘』は、
ぼぅっと駆けていた僕は、立ち止まった
✼••┈☖6二鶴┈••✼
「貴方の
「
薄く嗤う僕が煽れば、覇気を纏った
――
「これ以上、
咆哮と共に放たれた白矢は、
「
白鎌風で頬を
「ええ。ですから、
奇妙に軋んだ音がした。高欄の
攻【
千本矢が放たれる刹那。
「やめろ、
「なら、
「嫌よ!
僕を
「
「違う……」
「分かるよ。
また軋んだ音がして、ハッとする。擬宝珠の先端に、第二の『千本矢』は装填された。
「あの雷雨の夜。捻れた【鵺】の面を外し、夜に濡れる
襲い来る千本矢!回転飛翔と雷で焼尽する最中……あの雷雨に濡れる僕を呆然と見つめていた
「
矢風が僕の右腕を掠めた! 頭上から到来する飛星群に雷を返すも、丸格子は破壊出来ず。回転する視界では
「
「でも、憧れてしまう! 渡り
白矢が放たれる
「だけど酷いよ、もう
答える前に、千本矢
「手を離しちゃ駄目だ、
「私に『
白矢群を仰ぐ
――
歯を食い縛り、金雷を纏おう! 古き高欄を蹴れば、左胸の天鼓が強く叩く! 信じる道に
負【
•┈敗北者:【
白矢群は燃え墜ちた。腕の中の確かな重さと柔い香に、
「
「
僕の頬へ触れた
「今、案じるべきは僕じゃなくて、
――頭上の『彼』は、僕が求める答えを知っているだろうか。
✼••┈☖7三鵬┈••✼
攻【
第三の『千本矢』の装填音がした。僕は
「ねぇ、
「ただ『空』の為に。
四方から放たれた矢風に、慈悲は無し。
「空を喰らうとも知れぬ、【
金の
「ええ、とても。
( 自由を滅し、空への
自らを
僕は高欄と高欄の間へ飛び、斜め上の『次の間』を目指して蹴る!
「病者と生贄。兄と弟。逆だったとしても、
口調まで再現出来るくらい、白矢を放った
「高潔な
吹き抜ける風へ――――
―――― 参、弐、壱。
「君が縋れるのが
「
僕が金の雷を放ち、緋色の和弓を焼尽する中。
「
「
勝【
┈敗北者:〖
「
「うん……? ふふっ、やめてよ
焦る
「
「何を言っているの? 白矢で貫かれていないから、
「
僕に忠誠を誓うかのように片膝をついた
「待ってて、
「その問いには
「……待ってるから、
【陰ノ城】から飛び立てば、空を喰らうはずだった【
【
✼攻〖
どこに居たって、僕は
「
「
「あれから、考えていた。
「答えは出た? 」
「北の海に住まう幼魚の『
飛翔は上昇、墜落は下降。上昇は、海水が『
「孵化したての頃は覚えていたのに、どうして忘れていたんだろう……
「もっと早く分かっていれば……僕が決断していれば……
「
覚悟を決めた
あぁ、戦禍が終わる。これは初めから、大好きな
✼勝〖
•┈敗北者:【
《【
ようやく分かった。貫かれたはずの心臓は、眠る
「卵の内の『空虚』でもある
☾
「戦禍を終わらすべく、
笑みを交わした僕らの願いは、もうすぐ叶う。互いの肩を抱いた僕らは、額の『王の証』を合わせた。僕の
――――僕らは、水に成った。
鵬雲に解ける中……
柳色、若草色の葉はゆらゆら。
枯茶色の岩は動かない。
海碧色が水光にきらきら。
僕は
『貴方は、きっと自分の色を知らない。素敵な青色をしているのに』
『貴方が
『答えてくれないならいっそ、海に繋がる貴方が居なくなってしまえばいいのに。生命は翼に換えられない』
勝手に褒めたり、貶したり。酷い話だ。
『まさか……
どうやら微笑む
だが、ある日……手紙を書き終えた後に、
『
――海に墜ちる、今の
透明を削る、薙いだ
透ける睫毛が震え、
隔てる硝子柩へ共に触れれば、僕らは海水から
肺を大きく膨らませて、揺蕩う海面から蒼穹を仰げば……微笑む人魚は水飛沫の煌めきを連れて『空』へ跳んだ。
源へ還るような自然さで、飛翔した僕は
「おかえり、
「ただいま、
「
「戦禍が無い未来を『空想』して。
――瞼を閉ざし、考える。 『戦禍』が終われば、何に成る? 傷ついたり、笑ったりした思い出は捨てられない。僕らを伝承するには、僕らを模した『形』が必要だ。
ちょっと狡いけど……僕らがもう一度会いたい
――瞼を開けば、『未来』の僕に成っていた。僕は、三十二枚の『
「横7×縦七の盤と、漢字一字が彫られただけの木の板達。こんなちっぽけな世界では、
「本当にそう思うのか? 出づれば即ち怪を成す……☾
「ふふっ……美味いことが言いたいんだね、
「無から有は生じる。虚空の
「☾
今度は僕が君を翼で温める番だ、
僕の新しい『空』色の翼は、
君より、
「そして……☾
拝啓 いつか空鳥を知る君へ
どうか
君の卵殻は境界線なのだから。
『空虚』は卵の内側であり、
卵の外側である『虚空』は
空という翼で君を抱卵している。
願わくば、
遥かなる『虚空』を見上げる君に
虚しさを
✼•☗•┈┈┈┈••꒰ঌ໒꒱••┈┈┈┈•☖•✼
お読み頂きありがとうございました✧︎
雛禽の空棋 ―꒰ঌℍ𝕚𝕟𝕒𝕕𝕠𝕣𝕚 𝕟𝕠 𝕊𝕠𝕣𝕒𝕘𝕚໒꒱―の逸話を交えながら、『禽将棋』を詳しく書いた『禽象戯図解』の内の一文、
『秋水散人の文』について、近況ノートにて勝手解釈大発表を致しますので、ご興味ありましたら覗いてやってください✧︎
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⇩⇩⇩ぷち番外編
*⋆꒰ঌ┈サエン & ラカクのひなどりなヒトトキ┈ ໒꒱⋆*
https://kakuyomu.jp/shared_drafts/OGimsUERdOv917gZf8lTSCit20Gx266f
꒰ঌニュアンスイメージ挿絵໒꒱
⇒ https://cdn-static.kakuyomu.jp/image/CM71nqYQ
*⋆꒰ঌみんと様に、禽駒達を描いて頂けました໒꒱⋆*
⇒①鵼ヌエくんと、鵬美トモミ&鵬飛ユキト
https://cdn-static.kakuyomu.jp/image/ovZA4KSn
⇒②鵼ヌエくんと、鏡鶉ミシュン&留鶉ルジュン
https://cdn-static.kakuyomu.jp/image/PnFCfKif
雛禽の空棋 ―꒰ঌℍ𝕚𝕟𝕒𝕕𝕠𝕣𝕚 𝕟𝕠 𝕊𝕠𝕣𝕒𝕘𝕚໒꒱― 鳥兎子 𓅫 @totoko3927
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