何もかも見えないふたり

男に振り回された女ふたりは、死とその際に座り込んでいる。

死を忘れ恋を語ることで自縛する女と、男から死のフチに立たせられた女。

ある種の無感情でお互いを感じ合う女達は、
トンネルを出られる者と出られない者だ。

お互いの境遇故の無自覚な共依存が、いまだ憑き合いを分かつことができず、お互いを生かし続ける。

この関係はトンネルを出たあとも、長く続くのかもしれない。