勝利という憂い

ひたすらにかっこよく、暴力に支配された世界を描き出す。
映像表現はカビ臭さも血生臭さも感じさせるほど秀逸で、ともすれば雑多な世界への美しささえ覚える。

ある種の男の世界で待ち受ける暴力は、無謀と、勇猛さと、悲哀を纏って決着する。
しかし最後の暴力にこそ、僅かな救いを見たような気がした。