クレイジー・ラビット　〜犬派と猫派が争う世界に、兎過激派の僕が召喚されたら〜

　どこにでもいるかもしれない男子中学生、兎束 尊は家でペットのウサギ――チョコラと戯れるのが趣味だった。
　その日もいつものように遊び疲れてチョコラを抱いてソファで微睡んでいると、気づけば豪華絢爛な宮殿に転移していた！　
　周囲には尊と同じようにキョドっている四人の日本人、それを取り囲む数多の騎士、そして相対するは華麗な美少女達を侍らした髭面のイケおじ――王冠を被りザ・王様といった風貌だ。その頭にケモ耳がついていなければ。
　それを見て尊は思った。
『ケモ耳！　あの耳は犬系かな？　ウサ耳！　ウサ耳はいるのか！？』
　これは、ちょっとウサギが好きすぎる男が異世界で居場所を創るまでの物語。
『ウサギ！　ウサギはどこだーーっ！』
『待ってください！　ミコト様！』
　失礼、"ちょっと"ではなく"かな…続きを読む