8本の赤いカーネーション

2話の短編ですが、始まりから終わりまでの流れが綺麗に纏められているなと感じました。
題名と最期の文章の終わり方から、伝えたい文章の意味が分かりやすく締め括られていて、私は好きです。掘り下げれば、長編にもなりそうなお話ですが短編だからこその、考えられている文章が文字通り綺麗だなと感じました。

誰しもが、母親から生まれている。
母親だから絶対に子供を愛しているかと言われたら、そうでないパターンも中にはあるだろう。
でも、相当の割合で、母は子を愛している。
父親とは違う感情が、母親にはあるのだと私は思っている。
そんな母の愛を当たり前のように受け取ってしまうけれど、永遠に受け取れるものではない。
だから、年に一度くらいは「ありがとう」を。
そんな気持ちにさせてくれるお話です。