昭和という時代を、知る人も、知らない人も。ここにある空気感をぜひ感じて欲しい。
私はその時代を知らず、平成の話になってから、ああそういえばと想起するものがあった。昭和の時代を知る人は、昭和の話にそれを感じるだろうか。逆にもっと若い人は、何を思うのだろう。
人生というのは選択の連続で、残念ながらやり直すことはできない。選択した時間まで戻ることはできず、選んだ道を歩いていく。
ここには、トムさんという人の道があった。読む人は決して共に歩いているわけではない、けれどその道を垣間見て眺めている。
いいとか悪いとか、そういうものではないのだ。それが確かに歩いて踏み固められた道なのだ。
貴重なものを読ませていただいたと、そう思います。
禍福は糾える縄の如し。
けれどこれからたくさんの福がありますようにと願って、このレビューを〆としたいと思う。