47センチの頭とか

長月瓦礫

47センチの頭とか


生後3ヶ月頃の子どもの右脚、おおよそ56センチ。

これを丁寧に梱包し、地面に埋める。


生後6ヶ月頃の子どもの左腕、おおよそ40センチ。

これを丁寧に梱包し、地面に埋める。


生後9ヶ月頃の子どもの左脚、おおよそ33センチ。

これを丁寧に梱包し、地面に埋める。


1歳ごろの子どもの頭、おおよそ47センチ。

これを丁寧に梱包し、地面に埋める。


2歳ごろの子どもの右腕、これがおおよそ40センチ。

これを丁寧に梱包し、地面に埋める。


五芒星の点に箱を埋め、中心に社を建てる。

月が雲に隠れ、常闇は訪れた瞬間、我らが創造主は降臨する。


社の前に村人が列をなし、数珠を手に詠唱する。

彼らの呼び声は細く長く紡がれる。まさに異端だ。

いるかどうかも分からない神のために、多くの子どもを手にかけた。


近隣の町から生贄となる子どもをさらい、箱に封じ込めた。詠唱が響く。

社からもくもくと煙が立ち上り、歪な人の形になった。歓声が上がる。


煙から腕が伸び、村人を掴み上げ、大きな穴の中に放り込んだ。

一瞬、沈黙が下りた。すぐに悲鳴に変わった。


歪な形のバケモノは次々と村人を食らい、天に消えた。

バラバラに殺された子どもたちの後を追うように消えた。


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47センチの頭とか 長月瓦礫 @debrisbottle00

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