洗濯のし過ぎで井戸を枯らしかけたことがある

小烏 つむぎ

洗濯のし過ぎで井戸水を枯らしかけたとこがある

 「GW」「東」「井戸」この三題にぴったりな、ある思い出を語ろうと思います。


 2020年に義実家は水回りをリフォームしました。それは今まで使っていた五右衛門風呂の風呂釜が壊れて使えなくなったからと、

台所の換気扇が全く動かなくなったため、

その前年に義母が脳梗塞で少し体が不自由になったたため段差が危険になったこと。いろいろ重なっての改修でした。


 それまで義実家の水は「井戸水」でした。

家で使う水は台所もお風呂もトイレも洗面所も、全部「井戸水」。畑など外に5か所(!)ある水栓もみんな「井戸水」でした。


 「井戸水」は夏は冷たく、冬は温かいと言いますが確かに夏使っているとだんだん冷たくなって気持ちよかったです。真夏の畑仕事、草刈りの後、外の水道から出る冷たい水をごくごく飲むのは生き返る気持ちがしたものです。ただ、製氷機の水のタンクはたびたび洗わないと苔が生えていました。この「井戸水」で炊くご飯はとても美味しくて、初めて「水道水」で炊いた時義母は「古米使ったかね?」と聞いてきました。


 リフォーム工事のとき、出来れば今まで通り「井戸水」を使いたいと義母が言っていましたが、水道工事会社の社長さんの言われるには、「下水に流す水は上水道の水だけで、井戸水は流しちゃいけんのだわ。」

とのことで、断念。今では下水に流れない畑と庭、漬物小屋の洗い場のみ「井戸水」です。


 さて、肝心の井戸水を枯らしかけた話しです。


 それは昔々、小烏がまだそこそこ・ギリギリ・ピチピチの新妻と言えなくもない頃の思い出です。


  時はGW、帰省中の出来事です。子どもたちがまだ小学校に上がる前でした。義実家から自宅に戻る日、使ったシーツ等を洗濯しておこうと思い立ちました。お天気もよく出発までに乾くだろうと思ったのです。義父、義母、義祖母とうちの家族分の洗濯物を済ませた後、子ども達が使ったシーツ類を洗濯機に入れて回しました。しかし、一時間たっても出来上がりのブザーが鳴りません。


 洗濯機を見に行くと一回目のすすぎで止まっていました。すすぎのための水が出ていないのです。同時に台所もトイレも、水がちょろちょろとしか出なくなっていました。もしや、断水?と驚いて義母を呼びました。


 「あー。お母さん(小烏のこと)、水が枯れたんだわ。

何をやったん?」


 小烏は洗濯のし過ぎで井戸水を枯らしてしまったのでした。


 その後井戸に水が溜まるまでの間、洗濯も洗い物も中断。トイレ優先で過ごしました。

水道水に変えた今では水が枯れるということもなくなりました。井戸水は枯れるということを学んだ出来事でした。


 あ、ちなみにその井戸は母屋の「東」側にありました。井戸は義母の時代までは手押しのポンプだったそうですが、今は埋められてモーターで汲み上げられています。



近況ノートに元井戸の写真があります

https://kakuyomu.jp/users/9875hh564/news/16817330656523711861




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