第2話月の歌
ランギク:そうよ!早く渡しなさい
クロハ:………くっ!
クロハ:その袋には金しか入ってねぇ
ランギク:……は?
クロハ:月の結晶なんて入ってねぇんだよ
ランギク:……何よ!襲って損したじゃない!
ランギク:はあ!あたしもう帰る。もうそろそろだって聞いたのにまだなの?
クロハ:…………
カナメ:あなた達の目的はなんですか?
ランギク:バカねぇ、それをあんたに教える義理なんてあるわけないでしょ?
ランギク:さようなら
0:ランギクは森の中に消えていく
シラウ:な、何だったんだ
カナメ:風切の幹部か何かですね。恐らく相当強い
シラウ:そんなやつがなんでオイラ達に!?
カナメ:わからない。けど、月の結晶を探してるなんて、悪巧みしてるに違いないですね
シラウ:っ!オイラ達も月の結晶を探してるっす!
カナメ:あなた達も?
カナメ:一体なんのために?
シラウ:月の結晶は!奇跡の結晶って呼ばれてるっす!
シラウ:死んだ人を生き返らせる力があるっすよ!だから!
シラウ:オイラの父ちゃんを!生き返らせたいっす!
カナメ:………
シラウ:君……いや、師匠!
カナメ:し、師匠!?
シラウ:このお金、あげるっす!
クロハ:シラウ!?
シラウ:この人の姿見たでしょ!兄貴!
クロハ:……あぁ、見たよ。あれは猛禽類(もうきんるい)の一族。隼(はやぶさ)の姿だった
シラウ:なら!オイラ達もこの人にかけてみるべきっす!
シラウ:月の結晶を一緒に探して欲しいっす!
カナメ:月の結晶を!?
シラウ:そうっす!月の結晶を持ってるとさっきみたいに襲われたりする事もあるっす
シラウ:だから、オイラ達を守って欲しいっす!
カナメ:何言ってるんですか。私はお金なんかに踊らされないですよ
シラウ:1000万天入ってるっす!
カナメ:全力でやらせて頂きます!
クロハ:軽すぎだろ!
クロハ:……俺は反対だぞ。シラウ。
シラウ:なんで?
クロハ:見ず知らずの人間を信用するな。お前の悪い癖だぞ
クロハ:俺らが気を抜いている間に金を取って逃げるかもしれない。仮にもこいつは隼(はやぶさ)だ
シラウ:そん時はそん時っす。食い逃げした仲だし、大丈夫だよ!
クロハ:……あのな
クロハ:はあ、じゃあ金は俺が持ってる。月の結晶が見つかったらこいつに渡すからな?
シラウ:わかった!
カナメ:全く、勝手に話を進めてますが、私だって旅人なんですよ?
シラウ:師匠は何が目的で旅してるっすか?
カナメ:私は……目的なんてないですよ
シラウ:ならオイラ達と旅に出るっすよ!
カナメ:強引ですね〜
カナメ:大体、月の結晶がどこにあるか手がかりはあるんですか?
シラウ:全くない!
クロハ:ほら、言わんこっちゃない。何も計画無しに行動するなバカ!
シラウ:でもね、声がする方に行けばきっと見つかるっすよ!
クロハ:………その声ははっきりとはきこえないだろ?
シラウ:うん、まあね、んーーじゃあーー
シラウ:助けてっすー!師匠!
カナメ:とりあえずこういう時は情報収集からですよ。隣町の方へ行きましょう
クロハ:まあさっきお前が食い逃げしたからさっきの町には行けねーからな
カナメ:それはご愛嬌ですよ
0:3人は隣町の方へ行く
0:3人はとある酒場に移動する
シラウ:師匠?ここに居て何になるっすか?
カナメ:酒場はバカの集まりとも言われてるんです。自分たちの所属している団体の情報を身内を通して簡単にベラベラと大声で話すんですよ
シラウ:それはバカっすね!!
クロハ:バカはお前だ!声がでけー!
カナメ:あなたも声が大きいですよ!バカ共に聞こえてしまう!!
:ガシャン!!
シラウ:わあああー!!大男のバカが怒った!
クロハ:言わんこっちゃねーな!
クロハ:こうなったらぶっ殺すぞ
カナメ:ダメです!無駄な争いは避けるべきですよ!
クロハ:知るか!
ハヅキ:はあ、全く。騒がしいね
0:狐の仮面を被ったある一人の男が3人に近づく
クロハ:………?
シラウ:うわあーー!!!また一人こっちに来るっすよ!
カナメ:………
ハヅキ:乱風貌(らんふうぼう)
0:男は大男を片手で持ち上げ、爆風を起こして大男を吹き飛ばした
カナメ:な、なんですかあれは!
ハヅキ:お酒くらいしんみり飲ませてよ。全く
シラウ:……と、とんでもなく強そうな人っす!
ハヅキ:ん?君たち、そんなにおののいてなんだい?
ハヅキ:あ、わかったよ。君たちはひょっとして!
ハヅキ:僕のとびきりの笑顔を見に来たんだね
カナメ:………は?
:3話に続く
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