第4話過去の歌

カナメ:………


シラウ:な、なんすかこれは!!


カナメ:か、金だ金だーー!!


カナメ:金!金!金!金!金だあああぁぁーーー!!!


シラウ:し、師匠!感情が!感情がぶっ壊れてるっすよ!


シラウ:てか!なんでこんなにお金が落ちてるっすか!


カナメ:なんでですかね!でもどうでもいいや!おい!おっさん!その金は私のですよー!!どけどけー!!


シラウ:落ち着くっすよ!早く兄貴のところに戻るっす!


カナメ:あと、1万天!1万天拾います!


シラウ:いいから行くっす!!




0:また空を飛ぶカナメとシラウ


シラウ:はあ、まさかコアカリーの町長が町の地域開拓でお金を配ってるなんて思わなかったっす!


カナメ:私、将来はコアカリーに住みますね


シラウ:なんか来て欲しくないっすよ


カナメ:そういえばシラウとクロハはコアカリーで一緒に住んでたんですか?


シラウ:違うっすよ、兄貴とは血は繋がってないっす


カナメ:……そうだったんですか


シラウ:オイラの父ちゃんが死んだ時、そばに居てくれたのが兄貴だったっす


カナメ:じゃあクロハは昔はどこに住んでたんです?


シラウ:知らないっす


カナメ:知らないって……ちょっとは人を疑いなさい


シラウ:兄貴はとってもいいやつっすよ!


シラウ:もう5年も一緒に居るっす!今更疑うなんてないっすよ


カナメ:まあそれもそうですね


シラウ:オイラと兄貴は本物の兄弟っす




0:今から5年前


シラウ:……うぅ〜。父ちゃん


シラウ:なんで、なんで死んだんだよ!


シラウ:オイラは……オイラはどうしたら……


クロハ:おい、そこで何してる


シラウ:……君は?


クロハ:何してると聞いてるんだ


シラウ:……オイラは…父ちゃんが……


クロハ:父ちゃん?お前の父親か?


シラウ:父ちゃんが死んじゃったっす


クロハ:一人なのか?


シラウ:一人っすよ!父ちゃんが何者かに襲われたっす!


シラウ:……水の歌が…木の歌が…聞こえる


シラウ:あれ?石の歌まで聞こえる


クロハ:………お前、父親の名前を言ってみろ


シラウ:父ちゃんの…名前は…シロガネ


クロハ:……っ!?シロガネの?


シラウ:オイラ、どうやって生きていけばいいかわからない


クロハ:……俺についてこい


シラウ:……君、誰?


クロハ:俺の名前はクロハ


シラウ:君は…なんでここに?


クロハ:お前の父親に呼ばれてここに来たんだ


シラウ:どうして!?


クロハ:お前の父親は……いや、細かいことはまた後で話そう


クロハ:俺について来るんだ


シラウ:うん




シラウ:それから毎日兄貴と一緒に居たっす


シラウ:お金が無い日も、食べ物がない日も、ずっと一緒


シラウ:二人で貯めたあのお金も、月の結晶が見つかった時に誰かに売って貰うためっす


カナメ:そうだったんですね


シラウ:だから、兄貴とオイラの絆は絶対に切れることはないっす


カナメ:……なるほどね




0:一方クロハとハヅキは


ハヅキ:刃風露!(はかぜろ)


ランギク:面白いわね、こんなにワクワクするのは久しぶりだわ


ランギク:霧斬舞!(きりきりまい)


ハヅキ:斬撃を飛ばせるとはね。じゃあ僕も剣でも使うか


ハヅキ:夜半の嵐(よわのあらし)


ランギク:風で刀を作った?


クロハ:………


ハヅキ:矢風!(やかぜ)


ランギク:自分も斬撃を飛ばせるってアピールしたいわけー?


ランギク:遅すぎるのよ


ランギク:天地斬!(あまちざん)


ハヅキ:無数の斬撃!その威力もスピードも桁違いだ!


ハヅキ:やっぱり面白いね


ランギク:あたしもそう思ってたところよ


ハヅキ:ねえ、クロハさん。


クロハ:……なんだ?


ランギク:よそ見は厳禁よ!


ハヅキ:おおっと!容赦ないねー。手加減しないのも嬉しいや


ハヅキ:この状況ってさ、本来なら2対1だろ?


クロハ:………


ハヅキ:この人はさ……


ランギク:霧斬舞!(きりきりまい)


ハヅキ:どうして君を狙わないんだい?


クロハ:……っ!


ハヅキ:何度も僕は君に少しでも近づいて攻撃を避けている


ハヅキ:でも、クロハさんもこのナイフの人に攻撃を仕掛けない。、これってどうしてなのかな?


クロハ:……お前、何も喋るな


ハヅキ:お喋りが大好きなんだよね。最後まで喋らせてよ。ね?


ハヅキ:風切の最高幹部。クロハさん


:5話に続く

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