第7話鳥の歌
ハヅキ:残念だよ!君が裏切りに裏切りを重ねるなんてね!
クロハ:もう俺も腹を括ったんだよ!お前らのすきにはさせねぇ!正しくもない信条なんか掲げるなよ!
ハヅキ:じゃあ君は何が正しいと思ってる?正しさには必ず正義感というものが存在してるだろう
ハヅキ:君の正義を教えてみろ
クロハ:正義なんて持ってねぇよ!俺はただ、お前らのやり方が気に食わねえだけだ!
ハヅキ:あのやり方が気に食わない、このやり方が好きじゃないなんてタチの悪いわがままだな
ハヅキ:いいか?クロハよく聞け
ハヅキ:風林火斬!(ふうりんかざん)
クロハ:うっ!!
シラウ:兄貴ー!
ハヅキ:刃風露!(はかぜろ)
シラウ:うわあああー!!!
ハヅキ:自分の身も守れない人間は殺されたと嘆くが、クロハ、一つ教えといてやるよ
クロハ:……くっ!
ハヅキ:僕が人を殺してるんじゃない自分の弱さが自分自身を殺したんだ
ハヅキ:神風・小夜嵐!(かみかぜさよあらし)
シラウ:あ、兄貴ーー!!
クロハ:くっそぉぉーー!!
0:ハヅキの一撃は何者かによって止められる
ハヅキ:あぁ!?
カナメ:日暮(ひぐらし)の、咲いた花びら幾千の、見まごうように、あなた重ねて
カナメ:薮雨!(やぶさめ)
ハヅキ:ぐっ!
シラウ:師匠!
クロハ:……カナメ
カナメ:お待ちどうさま。私としたことが敵襲により、少々遅れました。怪我は無いですか?
シラウ:怪我だらけっす!
カナメ:大丈夫。傷の10や20は死ぬのうちに入りません。動けないなら動く必要もありませんよ?
カナメ:あなた達は頑張りました。本当にありがとうございます。
ハヅキ:ちょっとちょっとー!なんで僕が置いてきぼりにされてんの!寂しいじゃんか
ハヅキ:急に出てきて、急に襲われて、君のお父さんを殺した僕に対して怒りの言葉一つもないの?
カナメ:怒り?ええ。怒ってますよ。でも
カナメ:感情的になってしまうと周りが見えなくなるということを。弟子に教えてあげないといけないので
シラウ:し、師匠!!
ハヅキ:あっはっはっは!!笑わせてくれるね!どいつもこいつも綺麗事並べてさ!
ハヅキ:ちゃんと実力で勝負しようよ
カナメ:怒った私は怖いですよ?覚悟はいいですか?
カナメ:和光鳥!(わこうどり)
ハヅキ:風車!(かざぐるま)
クロハ:くっ!なんて爆風だ
シラウ:と、飛ばされるっす!
カナメ:あなた達の組織は私が絶対に潰します!
ハヅキ:ばーか!僕に手こずってるようじゃまだまだ甘いよ!
カナメ:私は5年前、父に誓ったんだ。復讐をするのでは無い。この組織にハクトミヤコという町がどんな影響を及ぼしていたかを教えてやれと
ハヅキ:ああ!そうだね!ハクトミヤコはムカつく奴らばかりだったさ。猛禽類の姿を見るだけで吐き気がする
ハヅキ:君の居たその町は風切にとっては天敵ばかりだったよ。でもね、最後に勝ったものが正義なんだ
ハヅキ:だからこそ風切が正しい!逆らう奴には服従させること!立ち向かう奴は殺すだけだ
ハヅキ:この世界を乗っ取ろうとしてるわけではない。この世界の中心が風切であるべきだと考えてるだけ
ハヅキ:そのためには月の結晶がいるんだ。だからお前の父親も殺した!!
カナメ:あなた達のその野望は!正義でもなんでもない。ただの自己中心的な考えだろう!
カナメ:人々はいつだって繋がれた一つの心であるべきです。そうすれば世界の中心は自分たちになるはずです
ハヅキ:それをすると反発するやつが出てくるから力で教えてるんだ
カナメ:人が気持ちを伝える時は、言葉で伝えるものですよ
ハヅキ:疾風!(はやて)
カナメ:白雁!(はくがん)
ハヅキ:夜半の嵐(よわのあらし)矢風!(やかぜ)
カナメ:姫羽白!(ひめはじろ)
カナメ:あなたが父を殺したのも。月の結晶が目的なんでしょう?
ハヅキ:そうだ
カナメ:私の父が何度も口にしていたことを教えてあげます
ハヅキ:あ?
カナメ:月の結晶は、悪に染められたものには通用しない
ハヅキ:………貴様!僕をあざ笑ってるつもりか!?
カナメ:あなた達の思想と月の結晶の在り方が違うなんて面白いなと思いまして、月の結晶だって、使われる人を選んでいるのです
ハヅキ:くっ!!
ハヅキ:風林火斬!(ふうりんかざん)
カナメ:迅速!(じんそく)
ハヅキ:ちょこまかと!
カナメ:私の速さに付いてこれる人は居ませんよ
カナメ:私は風切は許さない。でも、私はあなた達を捕まえて、やりたいことがありますからね
ハヅキ:何をするつもりだ?
カナメ:あなた達を捕まえて、金を貰って、億万長者になることです
ハヅキ:ふざけるなぁぁーー!!
カナメ:一気にカタをつけますよ
カナメ:斬戮鳥!(ざんりくちょう)
ハヅキ:うぅ!!
カナメ:この羽は硬く、あなたの思想をも貫き、打ち砕きます
ハヅキ:うわあああああぁぁーー!!!
8話に続く
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