第6話森の歌


シラウ:兄貴!


ランギク:ついに情が移ったってわけ!?明らかに時間かかってるからおかしいと思ったのよ


クロハ:……お前たちのやってる事は誰も幸せにならない


ランギク:幸せになりたいの?相変わらず夢見る少年ね


ランギク:まあ、こうなってしまったからにはあたしも腹を括るわね


ランギク:ぶち殺してやるよ


ランギク:天地残(あまちざん)


クロハ:葉理亜(ばりあ)


クロハ:シラウ、森を抜けろ


シラウ:兄貴!?


クロハ:いいから早く!


ランギク:霧斬舞!(きりきりまい)


ランギク:逃がさねえよ?クソガキども


シラウ:木が倒れて……


クロハ:逃げられねぇか


ランギク:あんたは確か最高幹部だけど、あんまり強くないのよね?


クロハ:黙れ


ランギク:あんたが死ねばあたしが最高幹部になれるって事ね!


ランギク:六道斬!(ろくどうざん)


クロハ:ぐぅわああ!!


ランギク:きゃはははは!!血が溢れてるわねー!可愛いわよ、こっち向いてちょうだい


シラウ:兄貴ー!


クロハ:……くそ


クロハ:……シラウを…守れなかった


シラウ:森の歌。歌森伝森(かしんでんしん)


ランギク:な、なに?


クロハ:森の葉が踊り出した?


シラウ:兄貴!オイラが森を解放したから、この力、受け取って!


クロハ:いつもの数倍、力がみなぎる…


ランギク:なんなのよ!これは!


クロハ:葉利剣(ハリケーン)


ランギク:うわっ!竜巻!?


クロハ:お前もここまでだ!!


クロハ:葉壊!(はかい)


ランギク:ぎゃああああああああ!!!!


0:ランギクは無数の葉によって切り刻まれる


シラウ:あ、兄貴!やった!


クロハ:あ、ああ。シラウのおかげだ


シラウ:オイラは森の力を解放しただけっすよ


クロハ:それがすげぇんだよ


クロハ:とにかく、ここから離れよう!


シラウ:うん!




0:カナメとハヅキは


ハヅキ:このくらいの高さならちょうどいいかー


ハヅキ:伊吹颪!(いぶきおろし)


カナメ:うわああぁぁ!!


0:カナメは地面に叩きつけられる


ハヅキ:大ダメージまではいかなそうだなー。その羽が邪魔だ


カナメ:あなたの目的はなんですか?


ハヅキ:僕の目的?この印を見てもわからない?


カナメ:やはり風切でしたか。じゃあ目的はやはり月の結晶?


ハヅキ:さすが!詳しいね!どうしてそんな詳しいか僕に教えてよ


カナメ:あなたに教える義理なんてない!


カナメ:千鳥!(ちどり)


ハヅキ:よっと!冷たい人だなー!


ハヅキ:なんかその感じハクトミヤコのあの人に似てるなー


カナメ:……な、何故私の故郷の名前を?


ハヅキ:え!カナメさんハクトミヤコ出身なの!?通りで猛禽類(もうきんるい)の血を受け継いでるわけだ


カナメ:………まさか、あなた


ハヅキ:ハクトミヤコの英雄を殺したのは僕だよ


ハヅキ:君のお父さんを殺したのは!この僕だよ!!


ハヅキ:刃風露!(はかぜろ)


カナメ:うっ!


ハヅキ:んー。向こうの声が一つ無くなったね。誰か死んだか


ハヅキ:カナメさんにプレゼントを用意してあげるよ


カナメ:………っ!


0:カナメの前にはハヅキの部下が大人数で押し寄せてきた


ハヅキ:何人居るのかな?ありったけの部下を用意したから、遊んどいてよ


カナメ:………っ!貴様


ハヅキ:じゃあ、向こうの様子見てくるねー!


カナメ:……くっ!やられた!


カナメ:一体、何人居るんだ?




0:シラウとクロハは


シラウ:はぁ!はぁ!走るのは苦手っすー!


クロハ:もう少しだ!とにかく走るぞ!


シラウ:師匠も生きてるかな?


クロハ:あいつは大丈夫に決まってる。きっと今でもハヅキと戦ってるはずだ


ハヅキ:そのハヅキが登場だよー!


クロハ:っ!?


シラウ:ひぃー!!し、師匠はどこに!?


ハヅキ:ははっ死んでるといいね


ハヅキ:ところで、ランギクはどうしたの?


クロハ:ランギクは……俺が倒した


ハヅキ:どうして?君は風切の人間だろ?


クロハ:風切の人間だからだ!


クロハ:俺はお前らと過ごしてきて少しずつ感じていたんだ


クロハ:生きることの苦しさを。生きることの虚しさを


ハヅキ:殺戮こそが生きる道。破壊こそが信条だ


ハヅキ:その心を自分の仲間に向けてはいけないだろう。仮にも僕は君の兄なんだぞ?


シラウ:……兄貴の…兄貴?


ハヅキ:なあ!クロハ!!


クロハ:お前らが仲間なんて認めてねえよ!


7話に続く

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