ep.5 なんとかしようとした結果
あれから3日が経った。
結論から言うと、彼女の命に別状はなかった。むしろ、傷の治りが早すぎてびっくりしたくらいだ。
女の子が倒れた直後、とりあえず使っていなかった新品のタオルや紐を使って止血。
意識はないが息をしていることを確認してほっと一息。
そしてグ○った。
どうすればいいのか分からない。ならば誰かに聞けばいい。
聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。しかもインターネットは匿名で知識を集められる素晴らしいサービスである。
匿名なら恥にもならないもんね!(←暴論)
まぁ、そんなこんなで色々検索し、とりあえず肌が出ている部分や大きな傷などは血や汚れを拭き取りガーゼと包帯。
初めてにしてはなかなか上手にできたんたんじゃないかな?親譲りの手先に器用さに感謝だ。
処置が終わった女の子を押し入れから引っ張り出してきたお客さん用の布団に寝かせ(ベットに運ぶことはできなかった。人を抱えられるほど僕の腕に筋肉はない)その日は僕も眠りについた。
翌日、アラームがなくても毎日決まった時間に勝手に目を覚ましてしまう体質のせいで、まさかの三時間睡眠を終えた僕が彼女の様子を見に行ってみると――――――なんと、熱を出していた。
軽く衝撃を受けつつも再び○グって、処置。といっても枕をアイ○ノンにして冷え○タを貼っただけだが。
それから、布団の上両端をつかみ、引きずるようにして一階の空き部屋まで移動させた。この方が必要なものを傍においておきやすいし、何より床の魔法陣をさっさと消してしまいたかったのである。
そして、今日。
発熱はまだ続いているが、驚くことに包帯の下の傷はもうカサブタになっていた。特に深かった腿と腕の傷でさえ、塞がりかけている。
しかし、彼女の意識は戻らない。
呼びかけても反応がないし、目を覚ます気配もない。
ただ、熱に浮かされた荒い呼吸を繰り返しているだけだ。
とりあえず、今も彼女の冷○ピタと包帯を取り替えるために部屋に向かっているけど……………多分、寝てるんだろうな。
いちおう控えめにノックをしてから扉を開ける。部屋の中心には、僕が引きずって運んで来たため乱れた布団があり、そこに女の子が眠っていた。
「早く目が覚めてくれると、いいんだけどなぁ…………」
独りごちながら、ゆっくりと冷え○タを剥がしていく。
触れた肌は、まだ熱い。
もう一枚貼ってあげたほうが良さそうだな、と僕が新しい袋に手を伸ばしかけた、その時。
「ん………………」
少しかすれた、高い声がした。
『友達ができる』という黒魔術を使ったら異世界美少女が召喚されてきた件 霜月 アカリ @s-akari
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