小説は冒頭の一節がやはり命です。

「梅の実が落ちた」という冒頭の一節に、実娘を心配する母の気持ちがよく伝わってきます。五分で読める極めて短い作品だからこそ、この書き出しが意味ありげで深く胸に突き刺さってくる。きっと、庭の梅の木に実がつき始めるのを見て、娘と過ごした懐かしい景色を思い出していたのでしょう。


たった七文字で作品の魅力を引き出すなんて、「西しまこワールド」の本領発揮ですね。とても、良い余韻が残っています。ありがとうございました。