ベータちゃん魂を語る編

魂と身体について語る 01

ベータちゃんの寂しい顔を見た瞬間、僕は無意識に手を伸ばしてしまった。


「ベータちゃん、大丈夫?なんかあったの?」


彼女は一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐにいつもの笑顔に戻った。


「あー、ごめんね。アルファくんにこんな顔見せちゃって。でも、色々あったのは事実だよ。」


僕はその言葉に含みを感じ取った。ベータちゃんが何かを隠しているのは明らかだったが、深く聞くべきかどうか迷った。


「地球人と会ったって言ってたよね…彼らと何があったの?」


ベータちゃんは少し間を置いてから答えた。


「彼らはね、思ったよりも複雑な生き物だったよ。優しさもあるけど、その裏には計算もあって…。私たちを利用しようとする者もいたし、逆に私たちを助けようとした者もいた。結局、どちらが正しいのかなんて分からないまま、私は彼らの中で迷子になっちゃった。」


その言葉に僕の胸が痛んだ。彼女がどれだけの苦労をしたのか、想像することすらできない。


「でも、結局は帰ってこれたんだよね?どうやって戻ってきたの?」


「それがね、ちょっと面白い話なんだよ。」


ベータちゃんはニヤリと笑って、話を続けた。


「向こうで捕まってた時、ある地球人の女の子が私に接触してきたんだ。彼女は私たちの言葉を理解していて、しかも私の正体にも気づいてた。その子が助けてくれたんだよ。」


「えっ、それってすごい偶然だね!その子、どんな人だったの?」


そして、ベータちゃんは地球での様子を話し始めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

地球ってやっぱり難しい…! 宇宙企業の新入社員アルファくんの悩み ブンショー @bunsho

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ