終曲・惨劇の後

最終話 地獄のおわり

 突然始まったデスゲームは、終わりを告げた。

 どっかのバカ幼馴染みのアホ言動のせいで、なんとも締まりの悪い終わり方になったけど。

 あ~もう! 思い出すだけで腹立つ! なんかこう、もっといい去り方なかったわけ!? ねこふんじゃったの時もそうだったけど、ふざけすぎなのよ! あれじゃ、必死に生き残った私たちがバカみたいじゃない! ……まあ、カイトのああいうところが好きだったんだろうけど。


 バカのせいで話がそれたわね。

 あの後、化け物の力なのか、世界のご都合主義的なやつなのか……デスゲームは、巨大な隕石の衝突っていう風に書き換えられたらしい。

 奇跡的に生還した私たち3人は、マスコミのいい餌になったわ。年がら年中つき纏われて、しばらくは家を出られなかった。

 人の心に敏感なサトリさんは、心を病んで入院して――その後は、10年以上経った今でも、どうなったかは分からない。もともと交流があったわけじゃないしね。


 シュウヘイ君はというと――今は私の夫です。

 そりゃあ、もともと同じクラスで、同じ境遇を辿れば、惹かれあっちゃったわけで。

 だって、耐えられなかった。お互い傷を舐め合わなきゃ、やってられなかったのよ。


 今だって、時々夢に出る。

 巨大なてるてる坊主。

 吊り上げられていく人々。

 親友の死。

 不気味な歌声……。


 あの日を忘れるのは、死ぬまで無理だ。

 だけど、支え合うことはできる。悪夢に負けて、死へと逃げてしまったら――今まで犠牲になった人たちの命を、無駄にしてしまう。そんなの、てるてる坊主と同じだ。


 だから、私は生きる。

 あの日の記憶がある限り、どんなことだって乗り越えられる。


 ねぇ、カイト。

 私、子どもができたんだよ。

 7日7日に誕生予定なの。なんかロマンチックよね。



 幸せになるから……あなたの分まで生きるから。

 どうか、天国で見守っててね。




 ……胎の中で、だれかが笑った。

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死のわらべ歌 ブモー @bumo555

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