欲望渦巻く呪いのクエスト

高校生の徹矢が聞いた、呪われたゲームの噂。
それはあるオンラインゲーム内で発生する【マキタ・クエスト】というクエストを受けると、プレイヤーが死んでしまうというもの。

そんなのただの噂……といいたいところですけど。どうやらこのクエストには、亡くなった徹矢の中学の同級生、牧田が関わっているようで。
マキタがゲームに呪いを掛けて、次々と人を死なせている?

話を聞いた徹矢は仲間と共に、プレイすれば必ず死ぬ、呪われたクエストに挑戦するのですが……。

死んだ同級生の呪いと言うのも怖いですけど、このお話の真に怖いところは、人間じゃないかって思います。
ゲームに呪いを掛けたとされるマキタ。コイツが生前からどうにも危ないやつだったみたいで。そんな奴が死んで幽霊だの呪いだののパワーを得たからえらい事になったのですよ。

プレイすれば必ず死ぬなんてゲーム、本来なら絶対やりたくないですけど。関わってしまった人の生きたいと言う意思、ゲームに狂わされてしまった人間の醜さが生々しく描かれていて、読みごたえがありました。

もちろん怖いだけではなく、絶対に、何がなんでもクリアしてやると奮闘する徹矢は、格好よかったです。
ホラーとしてもゲーム小説としても、一見の価値あり。
呪いのクエストを受けてしまった徹矢は、はたして無事にゲームを終わらせることができるでしょうか?

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