第13話 消えるお客様

おはようございます。

本日もお給料…あ、えーと、お客様のためお仕事を頑張る所存でございます。

よし!無事に誤魔化せたました?


今は夏休みのため、観光客のお客様が増えていますので張り切って頑張りましょう。

しかしお客様が増えると不思議な現象が度々起こります。


「すみません、◯◯ってありますか?」

見た目と違って(←失礼です)すごく礼儀正しい若い男性のお客様が声をかけてきました。

しかし、あいにく私の担当商品ではないので担当に確認しなくてはわかりません。

「いらっしゃいませ。こちらですね、確認してまいりますのでこちらで少々お待ちください」

お客様に一声かけて、襟元につけたインカムで連絡をとりながらバックヤードまで下がります。


「島田さん、◯◯ありました?あ、良かったあったね。では、お客様にお待ちしてきます。」

島田さんから商品を受け取り先程のお客様を探しますが見当たりません。


えーと、黒のTシャツの男性でキャップをかぶってましたよね?

あれ?どちらにいらっしゃるのでしょう?

先程、お話した場所にいらっしゃいませんね。

では、お隣の通路?やはりいませんね。

とりあえず、こちら持ったまま探してみましょう。


店内を2週しましたが、いらっしゃいません。どちらかしら?

とりあえず、レジに預けてインカムで全店員に知らせておけば、お客様にはご迷惑をかけなくていいでしょう。


『レジおよびホール社員に連絡です。

男性のお客様が◯◯をお求めです。レジに預けておりますので、お客様よりお声がありましたらご案内をよろしくお願いします』


これで大丈夫でしょう。

しかし、お客様と別れてすぐバックヤードで商品を受け取って先程の場所に戻るのに3分ほどでしたがどちらに行ったのでしょうか?お手洗いかしら?


しかし結局、先程の男性のお客様はみえず商品を片付けました。


3日に一度はあるこの現象はなんなのでしょうか?

本当に不思議現象ですね。

まさかお化けじゃないですよね?

私、ホラーとか苦手なので生きているお客様だと思いたいですわ。


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スーパーの日常 青い石 aoiishi @aoiishi

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