良い物語というものは、いつも先が気になるものだ。

よくある転生チート物かと思いきや、主人公のリッドは皆から嫌われていて。

最初は何の力もなかった。

村の人に迷惑をかけて、好きな人を追いかけて。

棒切れを二十回振り回すのが限界な、ただのモブだった。

そこから逃げ出すでもなく、諦めるでもなく。

彼は貴族ではなかった。

彼は奴隷ではなかった。

彼は冒険者ではなかった。

彼はただ、村人だった。

精一杯努力して、一人の…もしかしたらもっと多くの人間の一生を作り替えた。

彼が一体この先どうなるのか。

この世界が、この先どんな終わりを迎えるのか。

良い物語というものは、いつも先が気になるものだ。