じつは何気にエンタメというのはリテラシーが問われる。BLを扱う本作も、その類例に漏れない。
ジャンルは異なるが、例えば、あるSF作品を読むとき、光瀬龍の『百億の昼と千億の夜』を読むか読まないかで、その印象は大きく異なると想う。
といって、別に説教くさいことを述べたい訳ではない。『ポーの一族』を読んだことがあれば、本作をより深く理解できるであろう。そうでなければ、本作を読んだ後に、『ポーの一族』を読めば、新たな発見があるであろうということである。ようはエンタメには、そうした楽しみ方もある、ということである。ようは、楽しんで!ということである。
ヒーロー、白蓮が、どこまでも清浄な美しさで。
主人公、涼悠《りょうゆう》は、元気な美少年。とても魅力的なのに、本人は無自覚で、
「俺の裸にみとれたか?」
(ちょっと文章は変えてますよ。ははは……。)と、さらっと白悠に言ってしまう。
そして、無自覚にコロリと白連を恋に落としてしまうのです。
ボーイズラブですが、普段読みつけない方でも、文章が綺麗で、すーっと読めるでしょう。
そして、主人公二人の美しさにうっとりしながら、
ドキドキできるでしょう!
そう、ドキドキするの。なんでこの二人、こんなドキドキする関係なんでしょう?
読めば、私の言ってる意味、よーくわかりますよ!
ぜひご一読を!