あの時の言葉の続きを。

 女性型自律式人形が、主人公。主人公はもう、旧式であり、欠けてしまえば補うための部品すら製造されていない。
 そんな主人公の主は、それでも主人公に優しかった。今日も主人公が淹れた紅茶を飲んで、不具合を確かめる。メンテナンスは慈悲で満ちていた。

 カズオ・イシグロの『クララとお日さま』のような一作。
 近未来の設定のはずが、どこか懐かしい匂いがします。

 是非、御一読下さい。