第6話 いるのかいらないのか、プロット3~テーマの提示

 ようこそ。第6回へ。

 10分運動がなんとかできるようになった書き手です。

 今回はテーマの提示です。ではいきましょう。


 2・テーマの提示(5)


 ここは冒頭であるオープニング・イメージに附従して世界観を定める場所。

 主人公でもいいし、登場人物の誰かがテーマに関連する大事なことを言う場所になります。


 カリオストロの城なら、偽札「ゴート札」を作るカリオストロ公国に向かいつつ、公国と偽札の噂を説明して、追われているクラリスを発見。


「どっちに付く?」

「女ぁ!」


 と言ってクラリスというヒロインを救う法を選ぶ。

(カーチェイスまで進みません)


 ここで、この作品は「クラリスを救う物語」であり、「偽札の謎を追う」というテーマの提示が行われる。

(作中、クラリスを救うことをルパンはずっと貫いています。そのために、ラストでもクラリスが光の世界にいるためにルパンはやせ我慢した)


「ヒロインを救い、偽札の謎を巡る冒険活劇です!」

 という世界観も目的もバッチリ。

 鮮やかすぎて大好きなオープニング・イメージと、テーマの提示です。


 サマーウォーズは、主人公が計算が得意であり、奥手なことを示し、おばあちゃんの家に着くまでに、お誕生日会であること(目的とキーマンであるおばあちゃんの説明)と、家系の説明に加えて、どんどん、その親戚縁者が集まってきて、とどめにドドーンとでっかい屋敷に翻弄される。

 さぁ、このメンツでなにかが起こりますよ! という提示。


 進撃の巨人はエレンとミカサで人類は壁の中に生きるものであり、ハンネスとの会話で「外では生きるのが難しい」と示し、エレンの「家畜じゃないか」発言で、自由に生きることを望む子供だとわかる。

 そして、「あいつまさか、調査兵団に入りたいのか?」で、外の世界に向かう組織があると提示される。

 そして、調査兵団が帰還。


「英雄の凱旋だ!」


 からの、母親に腕を返す絶望シーン。

 クレイジーすぎる。

 この物語は言われなくてもクレイジーだと納得する。


 (てか、シャーディス教官、髪ふさふさで、どんだけ老け込んだんだよ…)


 そして、エレンが「調査兵団に入りたい」と目的、テーマの提示を行う。


・物語を象徴する世界観と出だし。

・世界観から目的を定める。


 この2つを徹底的に気にかけて進めていく。

 この2つが、最後とひっくり返っていなければその小説は失敗。

 たった3,000文字くらいで、小説の価値が決まってしまうのです。

 映画の脚本は、このオープニング・イメージとラストに変化がなければ、そこで却下されるそうです。


 金ロで映画やると開始10分くらいはCMなしで進むけど、そこで面白くないと見ないでしょ? 映画館はお金払っているから最後まで見ますが、無料のものは最初に面白いと思わせないと終わり。

 だって、YouTubeとかゲームとか、面白い代換えに溢れているから。


 プロットは物語が発展していけば、破綻する箇所も絶対出てくるので、そうなると絶対的にオープニング・イメージ、テーマの提示が弱いんです。

 というか、前半に後半へ引きこむ力が弱い。

 説明文章多かったりして、余計な情報を入れている。

(今は「古代ヨーロッパ」とか、「大正時代」と書けばわかるので、細かい説明不要です)


 とにかく無駄を削って、見せたい場所を面白く魅せる。

 そのためには、訂正はあって当たり前。

 とくに10万文字の小説を2~3作品くらい書いたよという方なら、前半ぜんぶやり直しも視野に入れておくべき。


 わたくし、同一作品に対して6万文字書いて捨てて、3万文字書いて捨てて、1作ボツにしたのを改めて10万文字の小説にしたこともあります。

 それが

【大奥男色御伽草子 高藤あかねの胸算用~男色本で大奥の財政を立て直します】

 です。


 https://kakuyomu.jp/works/16817330649480618691


 オレンジ文庫第三次選考(改稿)→カクヨムコン8中間選考突破。

 エブリスタさんだと1位取っています。


 https://kakuyomu.jp/users/hanedairoi/news/16817330657083645931

 


 テーマは面白いけど、見せ方次第でボツになるから、とにかくオープニング・イメージとテーマの提示にはこだわってください。


 どうしても成績がふるわないのであれば、プロット段階、もしくは前半を書いて、書き直しができる(傷が浅い)時点でプロの添削を受けることを勧めます。


 趣味で書くならいいですが、賞レースに食い込みたい、かつ、書いた2~3作品が引っかかりもしていなければ、自力で直すのは無理だと思った方がいい。


 プロの添削を受けて大賞を取った方や、プロデビューした親しい作家さん2人知っています。

 わたしは、その方の紹介記事を読んで添削を依頼したクチです。

 その内容(感想)はnoteにあるので、気になったら覗いてください。有料販売などはございません。



 *** 推奨する目的ではありません ***


 *** 参考にする程度 ***



 あらすじ添削

 https://note.com/tensaku1/n/n90aa1d4fd7cc


 プロット添削

 https://note.com/tensaku1/n/n411676aca28a


 文字数とか、公募先の相談

 https://note.com/tensaku1/n/n2d39246359f2

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