第4話 いるのかいらないのか、プロット1

 第四回にようこそ。

 またしてもあらすじの書き方ではありません。

 一旦、あらすじは忘れることにしました。

 いや、忘れて。


 数回に分けてプロットの書き方を書いて行こうと思います。

 誰でも知っている起承転結ではなく、15のセクションに分けた、具体的なものです。


【SAVE THE CAT】

 という海外の映画の脚本家さんの本がありまして、それをわたしなりに解釈したものになります。

 有名な本なので知っている方も多いと思います。

 15のテーマはそのままを書きますが、内容は書けないので、羽田解釈はちょっとなぁな方は購入してください。とてもよい本です。

 しかし、今回はそれには触れず、


「あなたにとってプロットが必要かどうか?」


 を問いかける内容にします。

 これを読んだ上で、自分に必要かそうでないかを判断していただけたらと思います。

 ちょっとでも「あった方がいい……?」と思ったら、次回も読んでくださいませ。



【プロットは必要か? 1】


 プロットを作らないという方も多いのではないかと思います。


「プロット書くと先が見えて面白くなくない?」


 という発言をプロ作家さまから聞いて、目が点になったことがあるのですが、それはもう才能の差です。

 その場で書いた伏線を、面白く、かつ、ちゃんと最後につじつま合わせできてしまう天性の差です。

 慣れもあるでしょうが、わたしには、とても真似できません。


 プロットをパソコンに例えるなら、USBに保存された初期データのようなものです。

 最悪、初期化(書き直し)になってもベースは残っているので、立て直しがきく。

 セクションごとに分けているから、どこを直すべきなのかもわかる。

 10万文字という広大な地図の「どこに今いるのか」知ることができるアイテムとなります。


 作らないで進めていくと、必ず行き詰まると思います。

 わたしは行き詰まります。(正直)

 そして、「こうした方が続きが書きやすい」を選びました。

 結果は奨励賞、C賞、もう一歩賞です。


 一応プロットは作っていたので、ラストにまとまりはありましたが、キャラが立っているかと問われれば【主人公に都合のいい相手】を書いていました。

 主人公が魅力的なら、相手も好きになるだろうという考えだったので、


「この人、どういう人なのかわからないんですよね」


 と言われて致命傷を負いました。

 逆にキャラは立っているけど、ストーリーが甘いパターンもありました。

 で、プロットを見ると、詰まったところが甘かったのです。

 テーマから外れていた。

 ちゃんと、そこで主人公を困らせておいて、書いてる自分も困るべきだったのですが、


「締め切りあるし、間に合わない」


 ということで、書き上げられる方を選んだのです。

 それで悔しい思いを散々して、プロの先生にプロットを読んでいただいて指導を受けたのでなおさらそうなりました。


「わたしにはプロットちず必要いる」って。


 自分は今、どこを書いているのか?

 伏線を入れるのはここで、回収すべきはここでいいのか?

 クライマックスのあと、広げた風呂敷をきちんと畳んで、読者に、


「なるほど、この台詞はここに生きてきたのか。この話はこういうことだったのか」


 と、納得させられるか。


 それを【地図なしでできるか?】


 そう問いかけてみてください。



【プロットは必要か? 2】


 プロットに求められるのは一貫するテーマがあるかです。

 進撃の巨人なら「戦え」

 エレンを突き動かすものは、常に「戦え」という強い意志。

 そのために「巨人を駆逐する」「人類を文明ごと葬り去る」行動を取る。そこに存在するのは己の信念に従って戦う姿。

 もし、エレンが戦うことを止めてしまえば、それは「進撃の巨人」ではないし、「エレン」ではない。


 作品を貫くテーマがあるプロットを作ることから、小説は始まります。

 あなたの小説のテーマはなんですか?

 構想が浮かんだ物語にテーマとなる言葉を与えられますか?

 大雑把でいいんです。


【恋愛を書きたい!】【異世界でチートさせたい!】


 もし【恋愛】を選択して、【純愛にしたい】なら、純愛が成立するだけのヒロインと相手を作り上げ、純愛を貫くあなたの小説を現す「言葉」を考えてください。


 仮に【真心】であるならば、主人公に起こる様々な出来事に【真心】を感じさせるストーリーにしなければならない。

 悩んでもいいけど、裏切りは絶対ダメ。


 同じく物語の途中でヒロインの考えを変えちゃダメですよ。

 物語に都合良く当てはめるのはナシ。

 どんどん困らせて、悩んで、失って、それでも這い上がって手にした【真心】でなければダメ。

 裏切ったことで得たものは【真心】ではないから。


 テーマは縛りでもあるんです。

 書いている途中、詰まる瞬間は必ず起こります。

 そこで、きちんと困らせる(テーマを裏切らない)のか、都合良く動かすか。

 後者の方が断然楽だけど、それやったら、あなたの小説は終わりです。


 困らせたことを「どう解決するのか」を読者は読みたいんです。

 もちろん書いていくうちにヒロインの性格が明確になっていくので、前半に書いたものを読むと性格や考え方が甘いはずなので、プロットを変えて、後半に繋がるよう書き直しします。

 物語の半分くらいまでは、前半の手直しとの戦いになります。


 あまり長くてもなんですので、今回はここまでといたします。

 でも、最後にひとつだけ真実を置いていきます。


 1話は重要です。

 なぜなら、ここは投稿サイトだから。

 1話で面白そうと思ってもらわなければ、そこで終わりです。

 いくら、「ここから右肩上がりに面白くなっていく!」と自負していてもそれは読者には関係ないことです。


 あなたの小説はお金を出して買った本ではありません。


 読者が最後まで読んでくれるか?


 ではなく、1話から2話へクリックしてもらえるか? まず、そこからです。



 偉そうに書きましたが新作の

【黄泉がえりの姫と青い将軍~青鬼の側室は蘇った娘】

 のテーマは【救済】です。

 心が救われることを目指しました。

 5月5日で完結しますので、GWの残り2日で一気読みできます。

 救済を感じていただけたら、少しは信じていただけるかな? と思いつつ。


 https://kakuyomu.jp/works/16817330652824354626


 


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