恐怖とエンタメの絶妙な配合比率。普段ホラーを読まない方も、ぜひ!
- ★★★ Excellent!!!
……とんでもない物を読んだ。
俄にホラー・怪談のジャンルが盛り上がるカクヨムに、またひとつ傑作が。
とてもとても秀逸な怪談エンタメ連作短編小説です。
根っからのホラー好きはもちろん、普段ホラーを読まない方、ライトノベルファンにもぜひ手に取っていただきたい逸品です。
恐怖とエンタメ感の配合比率が絶妙。なので、ホラーが苦手な方でもきっと楽しめるはずです。
主人公は小学5年生のタケル。この「小学5年生」という設定がきっと絶妙なのです。だって、小学生を痛々しい目に合わせられないじゃないですか。凄惨な結末を迎えさせるわけにいかないじゃないですか。
なので安心感を持って読み進めることができるのです。道中のスリルを味わいながらオチまで一気に読み進めて、お化け屋敷の出口を抜けたように「ほっ」と一息つけるのです。
小学生ならではの活動の数々に懐かしさを感じることもできます。特に僕は、タケルとヒロイン的ポジションの舞原の関係性が「青春一歩手前」感にあふれていて大好きでした。そういった方面からも楽しめますよ!
『町の地図には、恐怖がいっぱい』は、ホラーとエンタメの融合を極めており、これまでにない新鮮な読み味を提供してくれます。
出てくる怪異のバリエーションが豊富で飽きが来ず、一話完結の短編形式も手軽に楽しめます。
ぜひ一度、この不思議な世界に足を踏み入れてみてください!!