ダンジョンに侵略される現代世界を救うため、悪役として勇者に立ち塞がり満足して死んだのに、なぜか過去に戻って銀髪美女に取り憑かれて世界を滅ぼす魔王になってしまう。

生前、俺は悪役だった。
勇者を成長させるため幾度となく立ちはだかり、
最後のダンジョンで打倒され、その強さに満足をし、死を迎えた。
ーーはずであった。

「もう一回悪役は無理だー!?」

気付けば、勇者に立ちはだかる前に時間が巻き戻っていて俺は叫んだ。悲痛に。
強くてニューゲーム？　二度目の悪役？
ふざけんなこんちくしょー。
もう一度やって耐えられると思うなよ。心が死ぬ。

自暴自棄になった俺は、まだ顕現していない最終ダンジョンに一人乗り込み、
ダンジョンマスターに挑む。
自殺となんら代わりないが、一度は死んだ身。
また悪役をやるよりマシだと戦った結果ーー勝ってしまった。なんでさ。

接戦の末とはいえ、まさかの勝利に呆然とする俺に、ダンジョンマスターの力が宿ってしまう。
俺が死なない限り、ダ…続きを読む