第6夜 古文漢文ってやる意味あるの?
私は学生時代、古典の先生が変わるたびに質問していました。
「古文とか漢文って何のために習うんですか?」
時々嫌な顔をする人もいましたが、大体の先生は優しく教えてくれました。
ざっとまとめると
・今の日本語の原点だから。
・原文で読めなければ意味がないから。(より深く理解できるから)
・日本の昔の歴史(生活)を知るため。
だいたいこのような回答でした。(他にもあったかもしれませんが、忘れました。)
当時も今も正直分かるような分からないような感覚ですが、当時は深堀りするだけ面倒だったので、仕方なくやっていました。
今改めて考えるとやっぱりよくわからないですね。前回のテーマでも書きましたが、国内外関係なく古典には素晴らしいものがあるのは事実です。それは考え方だったり、物語の筋だったり、評価の対象は変わりますが、時を超えて現代でも評価されているわけですから、大抵のものは良い作品ばかりです。
しかし、原文で、それも中高生に教える必要ってありますか?
教訓的な意味合いや、文化的なバックグラウンドを知るという意味では教育に不可欠だと思います。しかし、わざわざ今は使われていない文法を習って、他のことを勉強できる学生の貴重な時間を使ってまで学習するほどのものではないんじゃないかなと個人的には思います。
もちろん学問としては大切な分野ですから、当然保護するべきですし、理数系に比べて実生活に立たないからと差別するべきではありません。(文系学問の補助金問題は気が向いたらいつか書きます。)
しかし教訓や文化を知るには現代語訳でいいわけですから、わざわざ学生の皆さんがやっても仕方ないと思いますね。
日本語の原点だから読む、原文だから読むというのもよくわからないです。
例を用いて説明しますね。
私は学生時代にカードゲーム「遊戯王OCG」をプレイしていたことがあります。
簡単に説明すると、当時ジャンプで連載されていた漫画「遊☆戯☆王」に登場するカードゲームを現実世界でもプレイできるよう改良されて発売されたゲームです。現在でも世界中で大人気で、ギネス世界記録にも登録されています。
上記のように起源は漫画で、実際に漫画に登場したカードや登場人物にちなんだカードが発売され、ある意味ごっこ遊びとして人気を博しました。
しかし、時代が進み、現在はほとんどゲームオリジナルカードで、稀に原作カードのリメイクや強化カードも発売されますが、比率で考えれば圧倒的マイノリティには違いありません。
この例で考えた場合、私のように原作を読んでいれば、実際のプレイでも原作カード対決のような激熱展開になったり、新カードに原作の小ネタがあって、見つけた時には喜んだりできました。
でも知らなくても楽しんでプレイできます。
元から最高に楽しいゲームには違いありませんし、今プレイしている小中学生は原作を読んでいない子も多いでしょう。
もちろん知っているほうが楽しいですが、知らないからといって魅力が半減するなんてことはあり得ません。
日本語も同じだと思いますね。
現代の日本語でもとても美しい文章や表現はあって、そのルーツを知っていれば更なる魅力もあるかもしれませんが、どちらにせよ素晴らしい文であるのは変わりません。
私はアニメに関してはわりと原作厨なので、「原作漫画も読めよ!!」って言いたい気持ちもよくわかりますが、知らないよりも作品の存在を知ってくれたほうがよっぽどうれしいです。原作もいつか読んでくれればいいなぁという程度で、「原作を読まないと魅力がない」というのはむしろその作品に対する冒涜では?と思います。
同じくアニメでいえば、確かに原作でない以上、独自描写があったり、原作と違う話になったりするものも時々あったりします。
ですが、それも含めて一つの作品であり、魅力の一つです。アニメと原作の違いを探すのも楽しいですしね。
中にはとてつもなくつまらないものもありますが、少なくともなんとなく世界観は知ることができます。気に入ったらもっと面白い原作を読めばよいのです。
どの古典も一緒ですが、関連本やyoutubeを何個か観てみて、気に入ったものを読めば良いと思います。実際、私は学生時代に授業で読んだ「源氏物語」の原文よりも、「あさきゆめみし」のほうが頭に入りましたし、面白かったです、
関連本もたまに全然違うこと書いてあるものもありますが、それらはいずれ淘汰されるので、大丈夫です。他の物を読みましょう。
ですから私は古典(特に古文漢文)に対して、「教養としては大切だけど、文法や翻訳まで学校でやる意味ある?」と思います。そんなことをするよりも、現代語訳でいいので、作品の世界観や文化、教訓を学びとってもらいたいと思います。また、この年代の皆さんは、他にももっと学ぶべきことがあると思うので、大学でやるなり、せめて選択教科にしたほうがいいのでは?と思わざるを得ません。(続く)
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