読んで欲しい。真摯に書かれた時代小説。国を超えた女性の友情。

埋もれています。こんなステキな物語なのに!
私がごちゃごちゃ言うよりも、作者の作品紹介をまずは貼り付けます。


1615年、長崎県平戸島は外国の技術や文化が流れ込む世界の貿易窓口だった。その港町で商人の出世街道を行くイギリス人のオフィーリア・ハリソンの元に女中として料理人に憧れる知枝(ちえ)が付くことになった。江戸幕府が君臨する時代、二人の少女は果たすべき約束と夢を胸に抱いて、欲望渦巻く競売の世で運命を共にする。これは『食』と『商』が交叉する、信頼と知略の貿易浪漫である。

※南蛮貿易とそれに関連した歴史人物をモデルにしたフィクションです。



ほんとうにねえ、ステキなんですよ。反発し合いながら、立場が違いながら、それでも女性というだけで生きにくい、認められない、そんな状況で足掻いている2人の生き様。自分が出来ることを最大限に頑張って切り開いていく様は本当に素晴らしい。

篤永ぎゃ丸先生の生真面目な執筆スタイルが、この物語の気品を形作っています。

地味かもしれない。トレンドでないかもしれない。でも、読んで欲しい。そう思わせる作品です。

本格的な時代小説が好きな方、ぜひ一読を!