騎士団を去った男が話す逃げた言い訳とは

　海の上に存在する国タートルリベリア。そこは魔法研究が最先端を行く魔法文化が栄える国。一般市民も魔法を使えるほど魔法が研究されているこの国は、ほかの国に比べて人々が活気にあふれている。

アイナはその王国軍魔法士官学校の2年生。普段は魔導書を使った魔法を極めるために日々勉強。彼女は学校がない日は学費を稼ぐためバイトをしているのだが、そのバイト先は偉大な魔法使いが営んでいる本屋である。いつかはその人の弟子になるんだと、ちょっと思っていたり。ただ、その人にはその気はないようなのだが。

「私だけが知っている。あの人は本当はすごいんだって」

ただ、その人のほかに、彼の実力に気づいていた人がもう何人かいたことを、彼女はその日知ることになった。その国を守る騎士団もまた魔法を使う精鋭たち。中でも『13…続きを読む