ファンタジックな森にご招待

明るくキュートなメインキャラクター・アムルとユースティスが織りなすファンタジー。
テンポ良い物語の魅力だけでなく、個人的に風景の描写が素敵だと思っています。特に森の描写です。
 第3話、2人が住む<エルムの里>の描写はこちら。


 こぢんまりとした一階建ての家々には、木造であることが分からないほど表面に緑の蔦や苔が生い茂り、森の一部に見える。

 まるで妖精や小人たちが住む場所のようで、アムルは、この村が大好きだ。

 村の中央には、神樹となる大きなハルニレの木があり、そのすぐ傍に向かう拝殿はある。

 ハルニレの根が屋根を覆っているため、ぱっと見には、それと分からない。

 生い茂る葉と蔦を掻き分けると、ようやく扉らしきものが見えた。


 
 湿った緑の匂いと木漏れ日が、ふわっと立ち昇るようです……!
 ファンタジーの風味と作品の厚みを広げる描写に包まれた本作、ぜひ風景を想像しながら読んでみてください!

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