『幻のオリオン』

　結果、和花はBOOK MARKに一日だけ滞在することになってしまった。
　九時になり、開店。和花は早速本を読み始めた。
　と、何冊か読み、昼ご飯を食べると積極的にその本を宣伝するようになっていた。あとは、ここにある中で気に入っている本も。
　おかげで、何冊か売れた。
　さらに、来客者の手相を見るというサービスも勝手にしていた。意外と高評価だったのは喜ぶべきなのか……？
　そんなかんなで一日が終わり、夕食を食べると和花は助手席にもたれてすぐに眠ってしまった。
　雄星はそんな和花に毛布を掛けたやった。と、毛布の下に知らない本が、あのピンバッチ付きで置いてあった。
『幻のオリオン』という本を開いて、読んでみると、そのストーリーと作者は衝撃を与えるものだった――。