第5話 二戦目のリベンジ合コン①

俺は自分の脳内にあるルックス査定システム、通称"リトルサーク"を発動させて、今回の合コンのメンバーを分析する。


俺はまず、正面に座っている女の子を分析する。かなりガタイのいい、背の大きな戦士の様だ。革製の鎧を着て、短髪だ。装備品はこん棒みたいだな。手荷物のかごに入っているのを確認する。容姿の評価はそれほど良くない、Dランクというところだ。


次に、俺は隣の女の子を見る。短髪の細身の剣士の子だ。あれ、何処かで見たことのある子だな。俺は記憶を呼び覚ます。


あ、思い出した。最初の合コンで会った、ぶっきらぼうな女の子だ。名前は確かチリーとか言っていた。この子も革製の鎧を着ている。恐らく隣の女戦士の仲間だと、俺は推測をする。この子のルックス査定は、かなりの美女のAランクだ。


そして俺は左の方を向き、チリーの隣の女の子を見る。魔法使いだとすぐ分かる服装を身に付けている。特徴的なとんがり帽子も被っている。胸がデカく、くびれがあり、お尻も大きい。俗にいうナイスバディって奴だ。色気がムンムンと出ている。かなりエロい身体付きだと俺は感じる。ルックス査定ランクは、美女評価のBランクだ。


俺は一番離れた席の女の子の方に顔を向ける。回復士の女の子の様だ。地味な真面目な子という感じだ。ルックス査定は、普通のCランクというところか。


己と敵を知らなければ、合コンには勝てない。俺は今回そう感じたので、男メンバーも冷静に分析していく。


まず、俺のルックスは客観的に見て、普通のCランクくらいであろう。服装は布のシャツとズボンという軽装だ。今日も愛剣のひよこのマークの剣を持って来ている。


隣のマッス先輩は筋肉質な体型で、俺と同様の布のシャツにズボンという軽装だ。前回同様、武器は大斧を装備している。ルックス査定は、普通のCランクだ。先輩にその評価を言うと怒られるので、俺は伝えないけど。


先輩の左隣の男は、見た感じ回復士の様だ。司祭の様な格好をしている。イケメンだが、ナルシストの様な雰囲気を出している。ルックス査定はBランクだなと俺は評価する。


俺と一番離れた席に座っている男は、見た感じ魔法使いの様だ。黒のローブを纏っている。杖を荷物かごに入れているので、間違いないだろう。クールな感じだ。ルックス査定は、やや劣るDランクというところだな。


俺は一通りメンバーを分析して、今回の合コンの面子をざっと見渡す。女の子の一番人気は、恐らく細身の剣士のチリーになるだろう。男側はナルシストな回復士が、合コンに慣れてそうだなと、俺は警戒をする。


俺はチラッとマッス先輩の方を見る。左斜め前のナイスバディの女の子に、視線が釘付けになっている。


そして、俺は先輩の顔を見て驚愕する。目玉の黒い所が炎の様に燃えている。こ、これは、先輩の本気モードだ。


ごく稀に見る獲物をロックオンした時に見られる現象だ。俺は確信する。今回、先輩はナイスバディの魔法使いを本気で狙っていると・・・。


そう言えば昔、先輩が言っていたな。ナイスバディで色気のある情熱的な女が好みだと。


俺は ナイスバディの女の子は、それ程好きなタイプではない。それに先輩と女の子の取り合いは避けたいので、俺は他の子を物色する事にした。


やはり、目を惹かれるのは細身の剣士のチリーだ。俺は今回の狙いをこの子に定める。同じタイプの剣士なので、話も盛り上がるし、仲良くなれそうだと期待する。


似ている男女は、お互いを好きになりやすい。その心理学の言葉を俺は信じ、この子を再びチェックする。


そうこうしている間に、テーブルに料理と飲み物が運ばれて来る。俺は、二度と合コンでは酒を飲まないと誓っている為、葡萄を絞ったジュースを頼んでいた。


そして、ナルシストの回復士が乾杯の音頭をとり、メンバー全員で乾杯が行われる。俺は、目の前の女戦士とチリーと乾杯をし、隣のマッス先輩と乾杯をする。


俺はチラッとチリーの方を見る。前回の合コンと同じ様な緊張が襲ってくる。しかし、今回は酒に逃げるわけにはいかない。俺は、勇気を持ってチリーに話し掛けようとする。


すると、そのタイミングで目の前にいる女戦士が俺に話し掛けて来る。













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