第4話 デビュー戦の結果と新たなる合コンの始まり
俺が目を開けると、見知らぬ天井が見えた。頭がひどく痛い。二日酔いか。俺は自分の置かれた状況を確認する為に、周りをキョロキョロと見回す。窓から入って来る朝日がすごく眩しい。
やはり、知らない部屋だ。家具が少ない。テーブルとソファーと酒が飾られた棚ぐらいなものだ。殺風景な部屋だなと俺は感じた。
どうやら、この知らないソファーの上で寝ていて、朝になった様だ。いや、待てよ。この場所、来た事があるような気がする。だが、思い出せない。
俺は記憶の糸口を手繰り寄せながら、ガンガンと痛む頭を振る。すると物音がして、誰かが部屋に入って来る。
「目が覚めたか?サーク。飲み過ぎだよ、バーカ」
部屋に入って来たのは、マッス先輩だった。俺は痛む頭を働かせ、考える。
「あれ?ここは、もしかして・・・」
「あぁ、俺の家だよ。やっぱり、何も覚えてねぇのかよ」
俺は必死に思い出す。確か合コンに誘われる前に、この家に一度来た事があったかなと微かに記憶が甦る。
ん、合コン・・・。俺の脳裏に最重要事項の言葉が駆け巡る。
「マ、マッス先輩!合コンは、合コンはどうなったんですか?女の子達は?マーキちゃんは何処へ行ったんですか?」
「お前が酔い潰れている間に、合コンは終わったよ。女の子達もみんな家に帰ったよ」
マッス先輩は淡々と説明する。俺は呆然とする。
合コンが終わっている・・・。あの美女揃いの合コンが・・・。俺に気がありそうだったマーキちゃんと親密になっていないのに、終了って・・・。
俺の身体が震え出す。そして、眼から涙が滝の様に溢れてくる。俺は嗚咽を漏らす。
「ま、最初だからな。やっぱり合コンの魔物に飲まれちまったな。気にすんなって」
マッス先輩は俺を優しそうな眼差しで見ている。
合コンの魔物、俺はその言葉を呟く。悔しい。俺は拳を強く握り締め、拳をソファーに叩き付ける。
「バカ野郎!ソファーを壊すんじゃねぇぞ!ま、何事も最初からは上手くいかないものだ。これも経験だと思え。ところで、明日も合コンがあるんだが、どうする?リベンジするか?もう、恐いから止めとくか?」
マッス先輩の言葉に俺は沈黙し、少し考える。そして、
「リベンジします。明日の合コン、参加させて下さい」
「よし!いい返事だ。ギルドの受付に行って、俺とお前の予約をして来るよ」
「ありがとうございます、マッス先輩。今度は結果を残します」
俺はマッス先輩に答えると、再び拳を握り締める。もう二度と酒を飲み過ぎて、酔い潰れる失態は犯さないと心に誓う。そして、必ず女の子を連れて帰ると、心が燃え上がる。
そして、改めて合コンの魔物について俺は考えてみる。どの魔物よりも恐ろしく手強い敵だ。世界を恐怖で支配していた大魔王チワンが可愛く思えてくる、そんなレベルの魔物だ。
俺は次の合コンに向け、分析と対策を行う。まず、合コンで酒は一滴たりとも飲まない。そして、強いメンタルと肉体を作る為に剣の素振りを千回始める。俺は次の合コンの準備を入念に行う。
そして、二回目の合コンの当日・・・。
俺は再び、マッス先輩と共に酒場"スイケン"へと歩を進める。そして、夜空を見上げ、深呼吸をする。
「サーク、気楽にいこうぜ。緊張すると良い結果は得られないぞ」
マッス先輩が俺の肩にポンと手を乗せ、話し掛けて来る。俺も二回目なので、前回ほどの緊張はない。マッス先輩にニコリと笑って返す。
今回の合コンも、男四名、女の子四名の八人のメンバーだ。話によると、今日はコンビ四組による合コンらしい。
つまり、俺とマッス先輩の様に仲の良い二人組が四組集まって、行われる合コンの様だ。
今回も店の中央のテーブルが合コンの舞台の様だ。先に他のメンバー、六名が既に席に着いている。俺と先輩は空いている席に座る。
俺が一番端の席に座り、先輩はその隣だ。俺は、緊張する心を落ち着かせる為にゆっくりと呼吸をし、気になるメンバーを確認していく。
もちろん、真っ先に確認するのは女性メンバーだ。俺は目の前の女性から確認していく。
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