〝小説らしきモノ〟と一線を画す、正に〝小説〟。その醍醐味をごらんあれ。

 カクヨムで「これが〝小説〟と云うモノか!」と思った作品が二つあります。
 ひとつは〝同志少女よ、敵を撃て〟、もうひとつがこの作品です〝読む〟と云うことに関して、全く淀みなくスラスラ読める。「本を読むと云うことはこういう事か!」と気付かされる作品です。さすがは〝この文庫がすごい大賞〟の最終選考に残る作者様です。

 残念な事に、自分の作品と何が違うかまったく解らないことが悔しい。

 内容についてカクヨムでは珍しい大人向けサスペンス小説。昨今の世界情勢に翻弄される記者の話で、思ったよりアクションありのエンタテインメント作品です。エピソードは、少し盛り過ぎの感あり(笑)。

 本格的な小説の文体を読みたい方に、珍しく私からお薦めします。