カクヨムで「これが〝小説〟と云うモノか!」と思った作品が二つあります。
ひとつは〝同志少女よ、敵を撃て〟、もうひとつがこの作品です〝読む〟と云うことに関して、全く淀みなくスラスラ読める。「本を読むと云うことはこういう事か!」と気付かされる作品です。さすがは〝この文庫がすごい大賞〟の最終選考に残る作者様です。
残念な事に、自分の作品と何が違うかまったく解らないことが悔しい。
内容についてカクヨムでは珍しい大人向けサスペンス小説。昨今の世界情勢に翻弄される記者の話で、思ったよりアクションありのエンタテインメント作品です。エピソードは、少し盛り過ぎの感あり(笑)。
本格的な小説の文体を読みたい方に、珍しく私からお薦めします。
日本の大手新聞社に勤めている主人公は、海外に単身赴任をしています。
そこは、多くの政治的な問題を抱えた国で、治安も悪くなっていました。
そして、ある政治家の演説会で取材をしている時、デモ隊と警察がぶつかる騒ぎに巻き込まれてしまった主人公。同業者と思わしき男性に声をかけられますが……この男は、敵なのか、味方なのか。
一つ一つの出来事や、近付いてくる全ての人が、怪しく見えてしまいます。
ミステリーのジャンルですが、サスペンスというジャンルがあれば、そちらの方が相応しいような、緊張感がある物語です。それに、物語の先がどうなるのか、全く読めません。
ミステリーや、サスペンスが好きな方は、ぜひ読んでみてください!