第43話 (裏の)お隣さん
朝の日課である畑作業をアイギスさんとやっていると、家からテマリが、ふらっとやってきた。
最初は、アイギスさんのもとへ行き、構ってアピールをしていた。
アイギスさんは、そんなテマリに微笑みながら構ってあげて、そのうち畑作業に戻った。
テマリは、それだけでは満足できなかったようで、俺のもとへやってきた。
「わん!」
「お、テマリこっちにもきたのかぁ」
ウリウリと撫で回すと、お腹を見せてゴロゴロしだした。
「可愛いけど、汚れちゃうぞー。ほら起きて。【浄化】。はい、綺麗になったぞ。後で遊んであげるから家に戻って待っててな」
「ゥー……わん!」
「ん? ……ちょっテマリ! そっちは他人ん家だぞ! あ! 戻ってこーい!」
テマリは、柵の下を潜り抜け、畑と隣接している裏の家の敷地へと入って行ってしまった。
俺は、慌てて後を追いかけ、裏のお隣さん?の敷地を覗いた。
すると、色とりどりの花が咲き誇る庭園があり、奥の方に白いテーブルと椅子に座る上品な老夫婦とベテランメイド(50代)が見えた。
テマリは、その老夫婦のもとへ走っていき、足元で『わん!』と吠えてお座りした。
そんなテマリを老夫婦は、微笑みながら、相手してくれていた。
「す、すみませーん! うちの子が勝手に入ってしまって」
俺がそう声をかけると、老夫婦の旦那さんが、柵を越えて入っていいと許可をくれたので、俺は、庭を荒らさないように注意しながら、老夫婦とメイドさんのもとへ歩いて行った。
「おはようございます。あらためて、すみません。うちのテマリが勝手に入ってしまって」
「いやいや、気にせんでいいよぉ。テマリちゃんっていうのかぁ。元気で可愛い子じゃのぉ」
「そうですねぇ、お爺さん。サヨ、何かこの子が食べれそうな物あったかしら?」
上品な奥様がベテランメイドさん(サヨさん)に声をかけた。
「はい、奥様。ボアの肉があったと思います」
「そう! ならソレを軽く火を通してあげましょ。飼い主さんいいかしら?」
「え! そんな悪いですよ。勝手に入ってしまったんですから……」
「そんな遠慮しないで。でもほら、テマリちゃんは欲しそうよ?」
そう言われてテマリを見ると、お座り状態で、舌を出しながら尻尾をブンブン振っていた。
「テマリぃ……す、すみません。お言葉に甘えさせていただきます」
「うふふ。サヨ、お願いね」
「畏まりました」
そう言って、ベテランメイド(サヨさん)は屋敷に入って行った。
「ありがとうございます。あ、自分、錬金術師のジョージと言います。引越しの挨拶もせずに申し訳ありません」
「そんなこと気にせんでええよぉ。今時、そんな挨拶もないからのぉ。それにこの町に錬金術師さんが来てくれて、それだけでもワシらは嬉しいんじゃよ」
「そうですねぇ。この歳になると、ポーションや万能薬は必要ですからねぇ」
この会話だけで老夫婦は、かなり上流階級なのが分かった。
万能薬なんて、ホイホイ買えるものじゃないからね。
「そう言っていただけると有難いです。テマリもお礼を言うんだぞ?」
「わん!」
「おぉ、お利口さんじゃのぉ」
「そうですねぇ。ほんと可愛くてお利口さんねぇ」
そう言って、老夫婦はテマリを撫でてくれた。
しばらく、老夫婦と会話していると、メイドのサヨさんが皿に載せたお肉を持って来てくれた。
老夫婦とメイドさんは、テマリがお肉を食べるのを微笑みながら見守ってくれた。
テマリがお肉を食べてる間に、色々とお話をさせてもらった。
老夫婦の旦那さんは、この町の前町長だったらしい。
今の町長さんは、息子さんという話だ。
通りで上品な雰囲気がある訳だ。
旦那様はテツさん、奥様はウメさんと言うらしい。
今後は、いつでも遊びに来てくれていいと言ってくれた。
テマリは、ブンブン尻尾を振りながら、『わん!』と返事をしていた。
俺は、お礼に、お薬をお渡ししますと老夫婦に言ったが、遠慮されてしまった。
そこで、庭園を見回すと、錬金術の素材になりそうなものが結構あったので、それと交換でということで、話をつけた。
せっかくのお隣さんだからね、仲良くしていきたい。
テマリも、お邪魔する気が満々だからね……。
こうして、裏の老夫婦と縁が出来た。
テマリは、よく遊びに行って、オヤツをもらっているようだ。
俺達も、それが分かっているので、アイギスさんがいいお肉を狩った時はお裾分けに行ったり、万能薬を素材と交換でお渡ししたり、イリアに料理を作ってもらい渡しに行ったりしながら、お互いに良い関係を築いていった。
仲良くなってくると、みんなでバーベキューを楽しんだり、誰かの誕生日をみんなでお祝いしたり、時には町長もまじえながら、楽しい時間を過ごしていくことになった。
みんなが笑顔になっているのを見ると、俺も嬉しい気持ちになるのだった。
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ここまで、読んでくださってありがとうございます。
皆様の応援やレビュー、本当に嬉しく思います。
ありがとうございます。
この物語は、プロットも無く、ただただ錬金術師で、ほのぼの系書きたいなっと思って書き始めた物ですので……正直言いますと、ネタが有りません٩( ᐛ )و 笑
ネタ探しのために、ゲームをやったりしましたが……ゲームにハマり物語が滞る結果になったりと……ごべんなざい_:(´ཀ`」 ∠): と思いつつw
色々な有難いアイデアをありがとうございました!
参考にさせていただきますね!
気力が回復しましたら、書かせていただきます!
期間が長く空いてしまい申し訳ありません!
ここまで、読んでいただき、本当にありがとうございます!
皆様の日々に、ほんの少し良いことが起きますようお祈りしておきます!
アラフォーオジサン異世界でなんとか生きています ヴィジラント @vigilant
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