壊れてしまうなら、その美をつれて。

どこで読んだのか忘れましたが、「美に直面して、人は無関心でいられない」という旨の言葉に触れたことがあります。

死は美化することはしませんし、それは作者様の意図するところとも異なるでしょうが、
人を破滅に導くことすらあるという点で、
あるいは、美は死に近しい位置に、その一角にいるのかもしれません。

その日の夜の如く「サクッと読める」お話としても十分に楽しめる一方で、
読者として「もっと」を期待してしまう、もちろんそれもまた、魅力のひとつなのですが。

個人的には、合わせ鏡を見ているようで、とても共感を覚える物語でした。