言葉は人を傷つけることもあるけれど、使い方次第で「救う」こともできる。
- ★★★ Excellent!!!
『辞書くんとスマホちゃん』に登場する「辞書くん」と「スマホちゃん」は、小学五年生。
「辞書くん」は辞書ですぐ言葉を調べてしまうので、「辞書くん」とあだ名をつけられていました。しかし、彼はあまりそれを気に入っていません。
何故って、難しい言葉や分からない言葉を使うと、すぐに周りの子が聞いてきますし、意地悪なのか変な言葉の意味を聞いてくることもあるから。その上、折角教えても聞いた本人は忘れていて、また同じことを聞いてくるので、「辞書くん」はこのあだ名を好きにはなれなかったのです。
でも、それもマシな方だと思ったのは「スマホちゃん」とあだ名が付けられた女の子がいたから。「辞書くん」が女子たちが陰で話していることを聞いて(女子たちはコソコソ話が出来ていると思っているけど、実は周囲に聞こえている)、「スマホばかりに夢中になっているから」そのあだ名がついたらしいということを知るのです。
「辞書くん」は気の毒だなと思いつつも、「スマホちゃん」に無関心でした。何故なら、スマホは危ないと大人に聞いていて知っていたし、何よりスマホよりも辞書の方がすごいと思っていたから。
しかし、あるとき「辞書くん」は「スマホちゃん」の本当の姿と、「スマホに夢中になっていたように見えていた」理由が分かり衝撃を受けるのです。
「言葉」は人を傷つけることもあるけれども、人を救うこともできるんだと思わせてくれる素敵なお話です。また登場人物たちもみんな魅力的なので、気になった方は読んでみてはいかがでしょうか。