現実世界でも異世界でもおもしろい

タイトルの通り主人公が現実世界でも異世界でも命を狙われる作品です。
命を狙って来る者の素性は不明。
目的も不明。
そこがまたミステリアスで読者を惹き付けます。

基本的な流れとしては主人公が現実世界で殺されかけ、紙一重のところで一命をとりとめるものの意識を失う。
その間に主人公は現実世界の記憶をもった別の人物として異世界で目を覚ます。
異世界でも誰かに殺されかけ、紙一重のところで一命をとりとめるものの意識を失う。
すると現実世界で元の人格として意識を取り戻す。
それを繰り返すというもの。

私はまだ54話読了時点ですが、主人公・洋士やその周囲の人物は洋士の命を狙う「存在」から彼を守るべく策を巡らし、敵の目的を知るために少しずつ謎に近づいていきますが、徐々に真相に迫りつつも謎は深まっているところです。
続きが気になります。

このような構成になっているため現実世界の洋士と異世界のシェスタの生活や成長やバトルを両方楽しめるというのも本作の魅力。
特に現実世界では同僚千種との関係性、異世界では両親や親友との関係性、さらに異世界らしい不思議な力を体得して戦う様子が描かれていて読者を楽しませてくれます。
また、非常にテンポ良くストーリーが進み現実世界と異世界を往復してメリハリが効いているうえに、文体も平易であるため飽きずにサクサク読めます。

主人公以外のキャラも魅力的です。
レビューをここまで読んでいただいた時点では「サスペンス」だらけの「シリアス」な作品、という印象を与えかねないかと思いますが、主人公の明るいキャラ、多くの個性的なキャラ、心理描写や会話の中に時折筆者が織り交ぜてくる笑いの要素もこの作品を気軽に読みやすい作品にまとめてくれています。

主人公はなぜ現実世界でも異世界でもこんなに命を狙われ続けるのか。
その真相に皆様もぜひご一緒に迫ってみませんか?

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