たのしそう。


 何にでも通じることですが、何かを人にお薦めしたい、広めたいと思った時に重要なのは、
 伝える人に「たのしそうだなー」と感じさせることだと思います。

 簡単に見えますが、魅力だけを押し続けてもダメだし、熱意があり過ぎても足りなくても「たのしそう」には見えません。

 このエッセイはその点が凄い。
 実に「たのしそう」。
 基本的なノリは「散財ヒャッホーゥ!!」なのですが、無益な散財(?)はしないように準備を重ねていたり、
 負の側面を描いた上で、それらも包括した散財への愛を語っていらっしゃる。

 なので、散財というモチーフでありながら、読み終えた際に抱いた感想は
「めちゃくちゃしっかり楽しみにかかってるじゃん」でした。


 オススメしたいのは、

・散財の魅力と魔性を端的に描いた第2話、第3話
・散財……というより「出費の用途」にかなり冷静な分析をする第8話、第9話


 まあ、どの話からでも読み始めてしまえば、その吸引力ゆえに、大体他の話も読んでしまうでしょうが……

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