何にでも通じることですが、何かを人にお薦めしたい、広めたいと思った時に重要なのは、
伝える人に「たのしそうだなー」と感じさせることだと思います。
簡単に見えますが、魅力だけを押し続けてもダメだし、熱意があり過ぎても足りなくても「たのしそう」には見えません。
このエッセイはその点が凄い。
実に「たのしそう」。
基本的なノリは「散財ヒャッホーゥ!!」なのですが、無益な散財(?)はしないように準備を重ねていたり、
負の側面を描いた上で、それらも包括した散財への愛を語っていらっしゃる。
なので、散財というモチーフでありながら、読み終えた際に抱いた感想は
「めちゃくちゃしっかり楽しみにかかってるじゃん」でした。
オススメしたいのは、
・散財の魅力と魔性を端的に描いた第2話、第3話
・散財……というより「出費の用途」にかなり冷静な分析をする第8話、第9話
まあ、どの話からでも読み始めてしまえば、その吸引力ゆえに、大体他の話も読んでしまうでしょうが……
知らない世界への好奇心。あなたにはありますか?
散財する目的も理由も人それぞれだろう。人の散財を知る。正直に言おう、興味しかない! そんな方にもおすすめしたい。
その好奇心は2話目にして、すぐに満たされる。
語られる推しへの投資。分かるー!と共感する人もいるだろう。だが、知らない人からすると、脳汁ドパドパ、ドーパミン大量分泌の内容だ。
そして、好奇心を満たされるだけではない。心理学についても語られているのがまた面白い。
共感するのか、はたまた脳汁ドパドパになって好奇心が満たされるのか。
是非、読んでみてもらいたいです!